zuzzのみちくさブログ

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ふたりの歳時記~ゆきちゃんとせいちゃん~【おまけつき】

「せいちゃん、帰ろう!お母さんが心配しゆうき!」
「手伝うてや、ゆきちゃん!」
「ゴリ
*1
「うん、そうや!」

絵の中のぼくの村1996年

田島征三, 田島征彦, 松山慶吾, 松山翔吾, 原田美枝子, 長塚京三

 

田舎の村で暮らす

双子の少年たち

おはなしです。

www.video.unext.jp

原作は絵本作家 田島征三エッセイ

やはり絵本作家である

田島征彦との

少年時代をつづったもの。

絵の中のぼくの村

絵の中のぼくの村

 

征彦代表作

征三代表作*2

冒頭、

田島征三

征彦(と奥さん)が登場。

なんと、本人です。

まさかのドキュメンタリー

とびっくりした。

その映像に、

征三によるナレーションが重なる。

 今は東京と京都に別れて住んでいるが、

 僕達は子供時代の数年間を

 高知県の田舎の村で過ごした。

 心の一番深いところで

 僕達の今を支えているその体験を、

 今度初めて二人の合作で

 一冊の絵本にすることになった。

 あの村で過ごした数年間は僕達にとって、

 ただの懐かしい記憶とは言えない。

 かけがえのない、貴重な日々だった。

 50歳を過ぎた今でも、

 抱きしめたいほど大切な、

 いとおしい思い出がいっぱい詰まっている。

 

そして回想が始まる。

土砂降りの道を、

釣竿を手に駆ける二人の少年

いがぐり坊主で、

そろいの半ズボンに

ランニングシャツ

田島家の双子だ。

 

昭和28(1948)年高知

双子は、と共に

親戚の家に住んでいる。

この親戚のおっさん

”タジマのジンマ”と呼ばれる

ケチの偏屈じいさん

またおっかないんだ~。

お母さん教師で職もあるけど、

役人お父さんが単身赴任で不在がちだから、

女子供だけで肩身の狭い思いをしてるんです。

 

さてこの双子

ゆきちゃん

せいちゃん

わんぱく坊主。

いたずらしたり、

畑を荒らしたり、

かと思えば

そろっておねしょしたり、

お姉ちゃんの友達にちょっかいかけられて

カメみたいにちぢこまったり、

かわいい悪ガキちゃんたち

あのいがぐり頭

思わずなでたくなります(笑)

 

双子ってセットだからか、

それぞれに役割があるみたいね。

ヤギのエサ取りで二人

「やっちゃるぜ!」

人んちの作物を刈りまくるアクセル型

「やめちょき!」

たしなめるブレーキ型に分かれてて

ふふってなりました。

このあとお母さん畑の持ち主

教師のくせに自分の子どもも教育できんのか!

とこっぴどくしかられるのね。

で、くたびれ果てて帰ったお母さん

双子を見るなり

「ゆきちゃん、せいちゃん!
 こっちおいで!
 あんたら、
 まっこと何ということをしてくれたがぞね!」

って一喝するんだけど、その後がおもしろい。

「よその畑のサトイモ、鎌でスパスパ切って!
 …気持ちよかったろ。

「うん…」

「気持ちよかったろうねぇ。
 母さんもやってみたかったぁ」

いやぁお母さん…

実におおらかですな!

子どもたちといるときは

ちゃんと母親してるけど、

一人で歩くときは

傘をくるくる回したり、

けんけんぱしたりしてて、

なんかかわいらしいお母さんなのでした。

 

同じ学級にはいろんな子たちがいます。

やいのやいの言ういじめっ子集団

やさぐれた一匹狼のセンジ

そして

心に残ったのがハツミ

家庭が貧しい農家らしく、

いつもボロを着てる彼女

家の手伝いもしっかりしするし

人に分け与えることを知っている

心優しい子でした。

 

出だしがドキュメンタリー

そこから回想という構成だけど、 

大木の枝に腰かけて村の噂話をしたり

強風を引き連れて登場したりと

あきらかに人間でない老婆三人衆*3や、

相撲のお誘いをしてくる

河童も出てきて(笑)、

単純な回想ものとは違う

幻想的な仕上がりになってます。

 

田舎の風景が恋しい、

夏休み気分に浸りたい…

そんな方は

せひ観てみてください!

 

このあとできた兄弟による合作絵本

 

【おまけ その1】

この映画は

高知県吾川郡いの町*4

撮影されました。

双子が魚を獲る川は仁淀川

今でも澄んだきれいな川です。

にこ淵!吸い込まれそうな絶景!

www.inofan.jp

travel.rakuten.co.jp

【おまけ その2】

カテリーナ古楽合奏団*5が奏でる

音楽がまたいいんです。

古楽器が紡ぐ音色は、

まるで双子少年時代の思い出

侵しがたい、

神聖なものであるかのように思わせる。

▼こんな音楽です。すてき…

世界観にどうしようもなく惹かれて

冒頭のクレジット

”音楽 カテリーナ古楽合奏団『Doctia』より”

ってなってたから、

即ネットで取り寄せてしまった…(笑)

ドゥクチア

ドゥクチア

 

あのジブリ宮崎駿監督

お気に入りらしく、

サントラに登場させてました。

宮崎駿の雑想ノート 「オリジナル・サウンドトラック」

宮崎駿の雑想ノート 「オリジナル・サウンドトラック」

 

zuzz.hatenablog.com

zuzz.hatenablog.com▼双子に関する回
zuzz.hatenablog.com

zuzz.hatenablog.com

 

 

 

*1:ハゼに似た淡水魚。

*2:小さい頃に図書館で借りた『おばけどーなつ』(奈街三郎)の挿絵も征三さんだったことを知り、なんだかご縁を感じました。

*3:これは村の守り神のようなものなんだろな。演じるのは女優でなく、地元 高知おばあさんたちです。

*4:1996年当時は吾北村と呼ばれていました。

*5:Wikipediaによると”西洋の中世・ルネサンス期の音楽を当時の復元楽器(古楽器)で演奏する合奏団”なのだそう。