「なんてこった…カイル!
私がいったい何をしたっていうんだ!」
「おれは生んでくれなんて頼んでない」
「私だってそうさ」
『ビッグショット
・ダディ*1』
"World's Greatest Dad"
2009/ボブキャット・ゴールドスウェイト
ロビン・ウィリアムズ, ジェフ・ピアーソン,
ダリル・サバラ
さえない男が
息子の事故死を
演出してしまった
ことから始まる
ブラックコメディー!
ランスは作家志望だが
本になった作品はなく、
高校の詩のクラスで教えている。
離婚して、
ひとり息子カイルと暮らしているが、
彼は思春期真っただ中。
成績は悪く、
他の生徒とトラブルを
起こすこともしばしばだ。
むずかしい年頃なのに加えて
旺盛な性欲をこじらせ、
変態の域にまで達していた。
それが端を発して、
ある日とうとう
とんでもない死に方
をしてしまう。
事故には違いない。
でもとにかく
死に方が死に方だから、
ランスは息子の着衣の乱れを直し、
ヤバいものはしまいこみ、
もっともらしい遺書を残す。
やがて遺書を
校内の新聞部がかぎつけ公表。
その内容はたちまち
世間の知るところとなり、
多くの人が感化されることに。
ある者には、
心に寄り添ってくれる
友として。
そしてまたある者には、
自分自身を見つめなおせと諭す
メッセンジャーとして。
カイルという少年は
神格化され、
変幻自在の亡霊*2
となって
みんなの意識を
変えてゆくのでした。
そしてろくに敬意もはらわれなかった
ランスは、
”あのカイルの父親”として
畏敬の目で見られるようになり…
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なんでもすぐ
美談に
したがる風潮。
これを皮肉ってるのがおもしろい。
アメリカは
特にこの傾向が強いもんね。
ヒーローものの映画が
異常に多いことからも
承認欲求が強い国民性がうかがえるし。
注目されたい!
称賛を浴びたい!
そんな
哀しい人間のサガを
描いた映画です。
【今日の知ってる人】
快活でスポーツマン、
才気あふれる
創作教室のマイクは
『シャーク』の
検察調査官アイザックこと
ヘンリー・シモンズ!
【おまけ】
★その1
この映画、
BGMがよかった。
▼サントラ
※以下、★印のついた曲が収録されてます。
Akron/Family
"Don't Be Afraid,
You're Already Dead"★
The Deadly
Syndrome
"I Hope
I Become a Ghost"★
Inara George
"Genius"★
どういうことか
わかります?
っぽいんですよ!
▼いつものしまむら系音楽まとめ(笑)
zuzz.hatenablog.com
★その2
カイルが好きだったミュージシャン
(実はランスが好きなミュージシャン)
ということで、
本人役で出演してます。
ホーンズビーはグラミー賞受賞歴あり。
アドリブ演奏が持ち味で、
作中でも自慢の腕前を披露していました。
Bruce Hornsby
"Mandolin Rain"★
"Invisible"★
"Song C"
"Shadow Hand"★
"Is You Is Or Is
You Ain't My Baby"★
"Sneaking Up
On Boo Radley"
アルバム