「着いたぞ。
あれが新しいお屋敷だ。我々の別荘だよ」
そして、私の生涯で最も美しい日々が始まった。
"La Gloire de mon père"
『プロヴァンス物語
~マルセルのお城~』
"Le Château de ma mère"
ジュリアン・シアマーカ,フィリップ・コーベール,
ナタリー・ルーセル,ジョリ・モリナス,
テレーズ・リオタール,ディディエ・パン
1990/イヴ・ロベール
フランス人
マルセルが
家族と過ごした
少年時代の
忘れられぬひとときを
振り返るお話。
原作は小説家であり劇作家の
マルセル・パニョルの自伝です。
教師である父ジョゼフ、
美しい元お針子の母
オーギュスティーヌの間に生まれた
少年マルセル。
誰に習ったわけでもないのに
文字が読める天才児だったが、
就学前に文字を詰め込んだら
この子の脳みそが破裂する!と
恐れた母から、小学校に上がるまで
文字に触れることを禁じられてしまう。
それでも好奇心の塊のマルセルは
隠れてこっそり読んじゃうのだ(笑)
田舎の教師にすぎなかった
父はどんどん出世してゆき、
弟ポールが生まれた頃には
マルセイユいち大きな学校に
赴任することになった。
やがてマルセルも
父の勤める学校へ入学。
成績優秀者として校内で
一目置かれる存在となるのでした。
■□■□■□■
体が丈夫でない母のために
父は伯母夫婦*1と共同で
空気のきれいなプロヴァンスに
別荘を借り、
休暇中はそこで過ごすことに。
この映画2部作は、
一家が過ごす
プロヴァンスでの生活を
主に描いています。
自然に囲まれた田舎での暮らしは
都会っ子にとっては新鮮だ。
朝はセミの声で目覚め、
陽が落ちる頃になると
夕食はランプを灯し、
屋外のテーブルを囲む。
▲これはほんとにすてきだった!憧れる…
おかしなおじさんに
セミの採り方を教わったり、
物知りの友だちができたり、
魅力的な女の子と出会ったり…
新しい世界を経験するマルセル。
それと同時に
大人の意外な一面を知ったり、
現実の厳しさを知ったりして、
彼がちょっとずつ
成長してゆくさまが
描かれています。
この映画、
原題と邦題*2の意味がちがうのよね。
"La Gloire de mon père"は
gloire(glory)だから”父の栄光”、
"Le Château de ma mère"は
château(catsle)だから”母のお城”。
マルセル少年の
幸福な時代、
父と母への思いを
風景とともに
味わってください。
▼映像は古いが当時の予告の方が私は好き。
www.youtube.com
【おまけ その1】
この映画は
風景の美しさもさることながら、
ウラジミール・コスマの手がけた
音楽の美しさも
また素晴らしい。
マルセル少年の思い出話を通して
自らの子ども時代を思い起こさせるような
なんともセンチメンタルな旋律なんです。
『マルセルの夏』
父親がテーマのこちらは
壮大かつさわやかなメロディー。
▼リンク先で試聴できます
『マルセルのお城』
母親がテーマのこちらは
華麗でややせつないメロディー。
映画
原作本
▼買ったもの載せてます!
【おまけ その2】
この作品はテレビ映画にもなりました。
『少年時代の思い出
~秘め事の季節/恋する時~』2007
"Le Temps des secrets,
Le Temps des amours"
二部構成です。
前半は子ども時代。(映画と内容が重複)
後半は中学生~高校生時代。
ひたすら美しい描写が続いた映画に比べて
こっちは苦い思い出もたっぷりで
内容がグッと現実的に仕上がってます。
▼Amazonプライムで観られます
スウェーデンの
子どもたちは…
▼こっちは楽しい!そして自然に癒されます。
zuzz.hatenablog.com
こんなのもあるよ