「たとえ水が荒れ狂おうと
桜の木は凛と佇む」
『青い
パパイヤの香り』
"Mùi đu đủ xanh"
1994/トラン・アン・ユン
トラン・ヌー・イエン=ケー,リュ・マン・サン,
グエン・アン・ホア,クエン・チー・タン・トゥラ,
ヴォン・ホイ
1951年のベトナム。
サイゴンにある
お屋敷で
使用人として働く
少女のお話です。
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ある晩、
一人の少女が屋敷にたどり着く。
使用人として
ここで働くことになったムイだ。
お屋敷には
旦那様、奥様、大奥様、
そして三人の息子たちがいた。
大奥様は自室にこもり、
旦那様は日がな一日楽器を奏で、
息子たちも気ままに暮らしている。
家も調度品も立派だけれど、
奥様だけが一人
働いてお金を稼いでいる。
それというのも
キリギリスのような旦那様が
度々お金を持ち出して
蒸発してしまうのだ。
夫の愛を失い、
それでも家族のために
家計を支えねばならない奥様。
いたずら盛りの下の息子たち。
面倒見のいい先輩使用人や
紳士な近所のおじいさんや
憧れのクェンさん…
屋敷で起こるいろいろを
横目で見ながら、
料理に洗濯に掃除にと
せっせと働くムイなのであった…
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まっすぐな瞳で
じっとこちらを見つめる少女の
パッケージが
ずっと気になっていた作品。
植物や虫に興味津々な彼女は
無垢でまっすぐで妖精みたい。
これほど登場人物が
多くを語らない映画は珍しい。
その分、
鳥のさえずりやカエルの鳴き声、
水の音や車の音などが
この映画を満たしてくれている。
どこかなつかしくて
ふっともの悲しくて
それでいて
さわやかな気持ちになる。
少女が大人の女性へと
熟してゆく過程を
みずみずしく
描いた作品です。
それはそうと、
ムイが最初に教わった
豚肉とチンゲン菜の炒め物、
おいしそうだったなぁ…
【おまけ 1】
旦那様に使っていたお灸が
まさかの日本の
せんねん灸で
びっくり(笑)
海を越えていたのだな、
せんねん灸…
▼思わず「えっ!?」て声が出てしまった…
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【おまけ 2】
この映画のもう一つの魅力。
それは
ハープや笛やピアノが
奏でる不思議な音楽。
はっきり言って
ことごとく不穏なメロディーなのに
なぜか妙に惹かれるのだ。
"Estampe 2 bis"
"Estampe 13"
"Estampe 3"
"Interlude B"
"Cam Thong (Communion)"
クラシックも出てきます。
不思議音楽の作用で
幻想的になりがちなこのお話を
世界観を壊さない程度に
引き締めてくれているのだ。
Claude Debussy
"Clair de Lune"
ドビュッシーの”月の光”。
Fryderyk Chopin
"Preludes No.23"
"Preludes No.24"
ショパンの
『24の前奏曲作品28』より
アルバム
こんなのもあります
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