「お分かりでしょ、警部。
私達はまだまだ絶滅はしませんよ」
『名探偵ポワロ』
"Agatha Christie's Poirot"
デイヴィッド・スーシェ,ヒュー・フレイザー,
フィリップ・ジャクソン,ポーリーン・モラン
1989
1930年代、イギリス。
卵型の頭、
ピンとはねた口髭。
灰色の脳細胞を持った
ベルギーの
ちっちゃなおじさん。
謎が大好き、
ポワロさんのお話です。
▼圧巻の全70話。
元はベルギーで警官として
働いていたポワロさん。
大戦を経てイギリスへ亡命し、
私立探偵としての生活を
スタートさせるんだ、け、ど…
この人
とにかく
細かい!
「そのどれにもたいして興味を惹かれないね。
それより自分の大事な用事がたくさんあります」
「例えば?」
「私の洋服なんだが…
新しいグレーのスーツに油の染みがあります。
君も気づいたでしょ?」
「いいえ」
「そう…ほんの小さな染みなんだけど、
私にはとても…気になります。
それに冬のオーバーコートも
防虫剤を入れてしまわなければいけません。
それにそろそろ、そう…
髭も少し切って手入れをしなくては。
ポマードを付けてね」
とまあ、こんな具合でしてね…
でもその細かさで
難しい事件を次々と
解決しているわけなのです。
それではみなさまに、
登場人物を
紹介しましょう。
ささやかな毎日を暮らす
一介の小市民にすぎない
わたくしでありますから、
やはりお話は殺人事件、
それも連続殺人事件だとうれしい。
だから今までは
盗難・誘拐・失踪系は
とばして観てたのよね。
でも今回は心を入れ替えて
すききらいせずに観てみました。
なーんだ、
ちゃんとおもしろい!
食わずぎらいはダメですね。
この作品は
なんと言っても
完璧な世界観。
建物、車、人々の装い、
情感豊かな音楽まで、
並々ならぬこだわりで
当時の様子が再現されています。
そして主役の
デイヴィッド・スーシェが
ポワロという役にかける情熱。
前にドキュメンタリーで
舞台裏を観たんだけど、
細部までのこだわりがすごい。
これが役者魂かと感嘆いたしました。
そうやって
作り手と演じ手の融合でできた
『名探偵ポワロ』。
おもしろくないわけがない!
小さなもの(事件)から
大きなもの(事件)まで。
ヤンマーディーゼルみたいに
頼れる探偵ポワロさんです。
”秩序と方法”によって
導き出される名推理を
堪能しましょう!
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【おまけ】
「イギリスに”料理”はない。
あるのは”食べ物”だけ」
「ひどい言われようだ」
「肉は焼きすぎ、
野菜はゆですぎ、
チーズは論外。
イギリス人がワインを作ったら、
私はベルギーに帰りますよ」
なーんて、
食通ポワロさんに
容赦なくこき下ろされる
イギリス料理。
私も修学旅行で
イギリスへ参りましたが、
まぁ…ねぇ…
あちらの方は
お茶さえよければいいんでしょうし…(爆)
でもね!!
『黄色いアイリス』で
ポワロさんがおいしそうに
フィッシュアンドチップスを
ニコニコほおばってるのを観たとき、
本場で食べそこねた私としては
くやしかったですね…
あ~ん、
食べときゃよかった!
おなかがすいたときに観ると
『名探偵ポワロ』は
おいしそうなものだらけ。
『コーンワルの毒殺事件』で
ジャップ警部が絶賛していた
牛肉と野菜のパイです。
★セルヴェル・オ・ブール
これはイギリス料理じゃあないけれど…
『100万ドル債券盗難事件』の
クイーン・メアリー号のディナーで
ポワロさんが喜んでいた
セルヴェル・オ・ブールは、
牛の脳のバター炒め!
最初「うへぇ…」となったけど
一口だけなら食べてもいいかな…
★ステーキとキドニーのパイ
『24羽の黒つぐみ』の中に出てくる
ステーキとキドニーパイ…
これだと2品あるみたいだけど、
実はこれは訳の間違いで
イギリスの伝統料理
”ステーキとキドニーのパイ”*4
のこと。
牛肉と腎臓の煮込みとタマネギなどを
パイにして焼いたもの。
”ハリー・ポッターシリーズ”にも
出てきたんだね。
”ハリー・ポッター”に出てくる料理を
ことごとく再現するファンが
このパイも作ってましたよ。
▼ファンの情熱ってすごいな!
www.youtube.com
どうでもいいけど
ポワロさんもチョコ好きだということが
『盗まれたロイヤル・ルビー』*5で
わかってうれしい♥
私もチョコレー党員なので…(笑)
【今日の知ってる人】
★デイヴィッド・ホロヴィッチ
『誘拐された総理大臣』の
ダニエルズ中佐は
ジョーン・ヒクソン版の
『ミス・マープル』で
スラック警部をやってたね。
★デイヴィッド・バーク
『ヒッコリー・ロードの殺人』の
サー・アーサー・スタンリーは
ジェレミー・ブレット版
『シャーロック・ホームズの事件簿』の
ワトソン先生!!
吹替えにも
興味深い人が
たくさん。
★熊倉一雄
(『ひょっこりひょうたん島』トラヒゲ)、
あと、
幼い頃の浪川大輔
(『素晴らしき日々』ケヴィン*8、『ロズウェル』マイケル*9など)
も出てました!
こちらもどうぞ
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*1:マシンガンをぶっ放すアメリカ映画を観たあとで
「野蛮ですねぇ。私はこういうタイプの犯罪も、質問するより先に発砲するアメリカの刑事も好きじゃありません」
と言っていた。たしかに…アメリカ人はすぐ撃ちすぎ(笑)!
*2:『スペイン櫃の秘密』にて軽快なチャールストンを披露しています!
*3:『4階の部屋』でかつて愛した英国人女性がそういうタイプだったと述懐してます。でも彼女は料理が下手だったらしい…(笑)のちに何度か出てくる例のヴェラ・ロサコフ伯爵夫人は、なぜか原作とは真逆のおとなしめなタイプに変更されているみたい。
*4:このパイについては『アガサ・クリスティーの晩餐会 ミステリの女王が愛した料理』という本にも載っているそうです。
*5:クリスマス用にとチョコレートショップでウッキウキで500gも買ってた!そしてその帰り道に外務省に拉致されるかわいそうなポワロさんなのであった…でもチョコ持ったまま車に押し込められてかわいかった(笑)!
*6:▼ワガママ女優役で出てますzuzz.hatenablog.com
*8:▼『素晴らしき日々』が出てきますzuzz.hatenablog.com
*9:▼ちょこっとロズウェル回zuzz.hatenablog.com