「すべてに白黒つけられると
新人は思いがちだがそうじゃない。
俺たちは灰色だらけの中いる。
ここはそういう世界なんだ」
『サウスランド』
"SOUTHLAND"
ベン・マッケンジー, マイケル・カドリッツ,
レジーナ・キング, ルーシー・リュー
ロサンゼルスで
日夜 悪と闘う
警察官たちの
タフな日常を描いたお話。
人口 約400万人、
面積 約1,300㎢、
このロサンゼルスの街を
巡回する警察官は
わずか9,800人である…
冒頭からこの文章。
なんだこの
無理ゲー*1感…
ベン・マッケンジーが
このドラマの主人公だと知って
「ふーん…
ま、初回だけでも観てみるか」
と、まったく期待せずに臨んだ私。
いやぁ…
おもしろくて
びっくりした。
はっきり言って
現時点では
今年観た中で
いちばんのドラマ。
第1話からハマって
もういっきに観ちゃったもんね。
華やかなキャストを
配しているわけでも
強大な悪と
立ち向かうわけでもない。
ただただ
警察官たちの
仕事と私生活を追う番組。
こういう媚びないスタイルを
貫くドラマ、実にありがたい。
▼『デトロイト1-8-7』 と同じ試み。これも大好き。
物語の最初に
その回のテーマに関する
語りがさりげなく入るんだけど、
これが渋い。
ドキュメンタリーっぽい
荒いカメラワークがまた、
臨場感たっぷり。
あえてキャストを出さない
OPクレジットからは、
リアルさにこだわろうとする
制作陣の意気込みが感じられる。
ロス市警には
人手が足りない。
どういうことかっていうと
科学捜査を依頼したら
「まだ片付いてないものが3,000件」
って返答されるレベル。
しかもこれから検査するのが
10年前のものなんだって…
誰かー!
ロス市警を
手伝ってあげて!!
このドラマの
評価すべき点は、
”刑事”だけに
スポットライトを
当てていないこと。
他の番組なら
エキストラと同じ扱いの
”巡査”も登場人物なんです。
刑事だけが”警察官”じゃないもんね。
みんなで街の治安を守っているわけだから。
殺人事件ひとつでも
①巡査が現場に到着
↓現場の状況把握・犯人がいれば応戦
②遺体発見
↓現場保存・応援要請
③鑑識・刑事が現場に到着
こんなふうに描かれるので、
この手のドラマじゃおなじみの
③”刑事が現場に赴くシーン”から
事件が始まるんじゃないのが新鮮。
しかも、
一話の中で複数の事件を
それぞれが追うのも特徴。
慣れるまでは
少々混乱するかもしれないけど、
観ごたえじゅうぶんです。
四六時中、
コールはひっきりなし。
ギャングの抗争、
ケンカ、
殺人、
強盗、
麻薬取引…
発砲なんて日常茶飯事。
次から次へと事件、事件。
なのにこっちの命は一つしかない。
危険な仕事だ。
パトカーをタクシー代わりに使おうとしたり、
子どもに警察官を見せるために呼び出したり、
痴話ゲンカのたびに通報したりと、
はた迷惑な市民に振り回されもする。
目を覆いたくなるような惨状にも出くわすし、
悪夢のようなひどい家庭環境や
胸糞の悪くなるような人間にもぶち当たる。
つまり、
人の悪い面ばかりを見続けるということ。
きつい仕事だ。
こんなストレスフルな環境だから
警察官だって人格者じゃいられない。
家に帰れば自分の生活がある。
難しい年頃の娘に手を焼いていたり、
理解のない妻に悩まされたり、
依存症の真っ只中だったり、
それぞれの問題を抱えている。
だけど家を一歩出たら、
もう街の護り手だ。
あとちょっとのところで
救えなかった命のこと。
やっと捕まえた悪者が
罰も受けずに野放しになったこと。
そんな無力さとも闘いながら、
それでも日々、走り続ける。
だから困っている誰かのヒーローになれる。
やりがいのある仕事だ。
小さなもの(事件)から
大きなもの(事件)まで*2
ロスの街は毎日が戦場だ。
クタクタになるまで
追いかけっこしても、
明日になれば、
また事件が待っている。
王道なドラマ展開にあきてきた、
ドキュメンタリータッチが好み、
ちょっと毛色の違うものを探している、
そんな人にオススメです。
【海外警察ものあるある】
☆"Copy that."
「了解」
☆"●●PD!Open up!"
「●●警察だ!開けろ!」
☆"Put your guns down!"
「銃を下ろせ!」
☆"Put your hands in the air!"
「手を挙げろ!」
☆二本指のジェスチャーで仲間に経路の指示
☆ドアを蹴る→家探し
☆誰もいなければ"Clear!"遺体があれば"Body!"
☆"I need a lawyer."
痛いとこ突かれるとすぐ弁護士召喚魔法を使う被疑者
☆"Deal"
取引するときに頻繁に出てくる
☆"You're under arrest."
「おまえを逮捕する」
☆トム・エヴェレット・スコット
ラッセル刑事役。
『すべてをあなたに』で
主人公のガイをやってましたね。
▼『すべてをあなたに』についてzuzz.hatenablog.com
☆ケヴィン・アレハンドロ
モレッタ刑事役。
『SHARK カリスマ敏腕検察官』の
ダニーや
『バーン・ノーティス』で
ストーカー男をやってた。
▼『バーン・ノーティス』について
zuzz.hatenablog.com
☆アリー・ウォーカー
精神科医マシューズ博士は
『TAXI ブルックリン』で
キャットの母親フランキーをやってた。
▼ここでちょっと触れてます
zuzz.hatenablog.com
シーズン4に出てくる
ヤなカンジの巡査は
『ナンバーズ』で狙撃のスペシャリスト
エジャートン捜査官でした。
この人、
日本の血もちょっと入ってるらしい。
▼娘のグレーシー、かわいいね!
www.youtube.com
☆フレデリック・コーラー
シーズン3の第8話に
ゲストで出てきた
ぽっちゃり兄さん。
ホントにあらゆるドラマに
チョイ役で出てくる俳優です。
▼DVD、日本語版なし…なんでだよう!
▼昔のロス市警はこんなのでした
zuzz.hatenablog.com
▼あるあるシリーズ