「物事の交渉というのはですねぇ…
表社会であっても裏社会であっても
けっきょく覚悟と度胸、
この二つに尽きるんじゃないでしょうか」
『ビジネスマン
必勝講座
~ヤクザに学ぶ交渉術~』
小沢仁志, 長門裕之, 遠藤憲一, 風間貢, 斉藤洋介,
成瀬正孝, 温水洋一, 吉川銀二
弱腰なら
最初(ハナ)から行くな。
行くなら腹を据えて
懐に飛び込め。
裏社会の交渉スキルを
学べる一本です。
こないだのシャーロック・ホームズ回で
ワトソンに声を当てていた
長門裕之の出演作。
豆知識として
チラッと載せるだけのはずだった
PR映像がなんかおもしろそうだったので
観てみることにしました。
▼なんとも意外なきっかけとなったホームズ回
zuzz.hatenablog.com
砂嵐を映す何台ものテレビが
あちこちに置かれた
真っ暗な部屋。
そこにたたずむ人影が
こちらへ向かってくる。
来た来た、
小沢仁志*1!
彼が案内人らしい。
「いらっしゃいませ、ようこそ当店へ。
あれ…?
見かけない顔ですね、お客さん。
ここは初めてですか?
あ、お友達の紹介か何かですか。
近頃多いんですよ、あなたみたいな人が…
仕事がうまくいかない…
他人との付き合いがうまくなりたい…
もっと度胸がほしい…
私はこれ”いの三原則”と呼んでるんですがね」
なんだそれ…
「ヤクザ映画を観て、
あんな風にカッコよく啖呵をきってみたいとか…
あんな風に人を言い負かしてみたいとか…
あなた思ってるでしょ。
確かに私は裏社会の様々な生き方を知ってますよ。
裏の社会では常に
食うか食われるかの交渉が行われてます。
それに比べてあなたたち
表社会の人たちの人との付き合いなんて…
そう難しく考えることはないんじゃないでしょうか?
え?ほう…そうですか…
あぁ…そうかもしれませんねぇ…
今のこんな世の中じゃあ
表社会の方がエグイかもしれませんねぇ…」
表社会の方がエグイ…
確かにそうかも。
で、ここから
A組長(長門裕之)の
エピソードに。
おたくの組員の借金を返せと
とある組から電話が。
待ち合わせ場所に赴いた彼の前に
若頭補佐(エンケン)とその手下が現れる。
紳士風にイケイケの舎弟、
すかし役と脅し役*2とは
ずいぶん古い手だなと腹の中で組長は笑う。
そして余裕綽々でのらりくらりとかわす彼に
とうとうしびれを切らし、手下が吠えた!
すると…
「ちょっと待て
この野郎…」
態度を急変させ、
静かにドスを利かせる組長。
「おめぇなんかに指さされながら
組長さんよとか何とか…
かまされる覚えはねぇんだ」
ここからは
もう独壇場よ。
「俺達が何者か、という話さ。」
「法律?裁判?ヤクザが使う言葉じゃねぇよ」
「おめぇさん方はよ、
最初から代紋*3を出して、組名を名乗った。
いいか?
こりゃ初手から、ヤクザ同士の話なんだ」
ゴチャゴチャ
抜かすなら
戦争じゃ!
といった様子の彼に二人はタジタジ。
老獪な組長の武勇伝、
楽しませてもらいました!
このほかに3話収録されてます。
ただ単に
力技でねじ伏せる!
じゃないのね…
相手の出方から
カウンターを
繰り出すのか。
表社会では
ビジネスの場が戦場(いくさば)だ。
戦場に丸腰で行く奴はいない。
ならば何時でも一太刀浴びせられるように
心は常に武装しておかねばなりますまい。
しかし啖呵きるのは楽しそう!
試しにちょっと言ってみて。
「お前らいったい、
何様のつもりじゃい!
お前らに
正義はないんかい!」
これは
ストレス解消になるな…
【おまけ】
ヤクザに学ぶシリーズ、
ほかにもこんなものがございます。
『ビジネスマン必勝講座
~ヤクザに学ぶ経済戦術~』
▼「”死人に口なし”を待ってやがる…」
小沢和義*5は小沢仁志の弟です。
『ビジネスマン必勝講座
~ヤクザに学ぶカリスマ性~』
なお、この中で
ヤクザの会長を演じている
もの悲しく旅情あふるる代表曲
”遠くへ行きたい”*7で人気を博した歌手ですが、
若い頃はヤクザも恐れる男として
知られていたそう。
『ビジネスマン必勝講座
~ヤクザに学ぶ指導力~』
▼良きリーダーへの道は、易しくない!
[rakuten:guruguru-ds:12379311:detail]
*1:顔面凶器の異名を持ち、迫力の重低音ボイスで泣く子も黙るVシネの常連俳優。しかし意外や意外、イッツ・ア・スモール・ワールド(よりによっていちばん平和なアトラクション…)がお気に入りな大のディズニー好きというかわいらしい一面も持つ人なのであった。
▼小沢仁志出演作品
*2:警察で言うグッドコップ・バッドコップ。それぞれの役割を演じることにより対象者に心理的揺さぶりをかけ、状況を有利な方向へ持っていくことができる。
*3:ヤクザの一家の紋章。家紋のようなもの。
*4:日本の武術。開祖である植芝盛平(1883~1969)は力士を投げ倒す、闇討ちをしかけてきた集団を返り討ちにするなど数々の逸話を持つ。彼は発案者であり指導者でもあったが、合気道が今日のように世界的に知られるようになったのは、その身を賭してプロモーション活動に尽力した彼の三男植芝吉祥丸(1921~1999)の功績である。
▼創始者植芝盛平本人の映像。
どうせインチキだろうと戦いを挑んだ武道家は
その強さを身をもって知ったという…
*5:やはりディズニー好きなのだそう。
*6:今でこそVシネ俳優として活躍しているが、1992年に放映された夢と友情と絶望のヒューマンドラマ『愛という名のもとに』で、かわいそうとしか言いようのない青年チョロを演じていたのも有名。
▼浜省こと浜田省吾の主題歌『悲しみは雪のように』
だっれ~もが~うぉををうぉををを~♪
▼思い入れがないからか、それともありすぎるからなのか、
ベスト盤にはこの曲を収録していなかった浜省。
ROAD OUT ’’TRACKS’’[CD] / 浜田省吾
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