「いつまでも17のままでいられないんだ、
頭使って考えろよ!」
『アメリカン・
グラフィティ』
"American Graffiti"
リチャード・ドレイファス,ロン・ハワード*1,
ポール・ル・マット,シンディ・ウィリアムズ*2,
チャールズ・マーティン・スミス
1973/ジョージ・ルーカス
1962年、
カリフォルニア。
なじみの顔ぶれがそろう
最後の一夜。
それぞれのひとときを
描いた物語です。
▼ハリソン・フォードがスカした役で出演(笑)
登場人物は
大学進学に浮足立つ
スティーヴ、
町を離れることを渋っている
カート、
いいカッコしたい地味男子の
テリー、
面倒見のいい町一番の走り屋
ジョン。
ここに
恋人であるスティーヴとの
最後の夜に心乱れる一途な
ローリー、
カートがひとめぼれした
サンダーバードに乗った幻の
美女、
テリーがナンパしたギャル系女子
デビー、
ひょんなことから乗せちゃった
13歳のガキんちょ
キャロル、
そして
町のゴロつき連中や
新顔の走り屋なんかも絡んできます。
■□■□■□■
ルーカスいわく、
この映画のテーマは
”変化”。
彼の前作であり初監督作品
『THX 1138』も
一大SFサーガ
スターウォーズシリーズも
この”変化”がテーマだと言っていた。
作品は違えど
”変わるべきか否かの選択を迫られる”という
シチュエーションにしている、と。
大なり小なりの選択をして、
朝を迎える青年たち。
アメリカという国もまた、
この翌年から
大きな選択を迫られる
重大な局面を迎えることになる。
やたら名作と言われているけれど、
べつに友情や絆を
謳った映画じゃない。
誰にでもある
青春の1ページ、
たった数時間を
切り取っただけのお話。
だけど場面を縫うように流れる
ごきげんなしゃべりと
60年代のヒット曲が
この映画を忘れがたいものにしてくれる。
特に1960年代前半に青春時代を送った人、
この人たちにしてみれば
当時を思い出すよすがになるわけだから、
格別の思い入れがあるのもうなずける。
この映画は『ゴッドファーザー』の
それというのも、
ビッグネームが必要だったから。
この企画を持って制作会社に乗り込んだとき
どこからも
こんな映画、金にならん!と断られ、
なんとか話が進み出しても
スターを配役できる資金力もなかった。
幸いコッポラは二つ返事で承諾。
ようやく制作にこぎつけられたのでした。
どうでもいいけど今や大金持ちのルーカス。
さぞや贅を尽くした暮らしを…
と思いきや、
お金をかけるのは映画のことだけで
実生活は至ってシンプルなのだとか。*6
なおぶどう作りおじさんでもあり、
つくったぶどうは
ワイン作りおじさんこと
コッポラ先生んとこで
ワインにして売っています(笑)
とにもかくにも話のタネに
60年代の
青春の香りを
かいでみませんか?
▼これは激動の時代を生きる続編!
【おまけ #1】
ローラースケートのお姉ちゃんが
車まで
ハンバーガーを持って来てた
メルズ・ドライヴイン。
メルズ・ドライヴインは
アメリカに
実際にあったお店なのだ。
▼日本だとUSJにあるよね!
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【おまけ #2】
この映画、
やっぱり魅力は
音楽ですよね。
『アメリカン・グラフィティ』の
サントラは、
曲がたいへん充実していて
うれしいのですよ。
Bill Haley & His Comets
"Rock Around the Clock"
Frankie Lymon & The Teenagers
"Why Do Fools Fall In Love"*7
▼ヴォーカルは女性だと思ってたら
変声前の男の子だったのね!
Chuck Berry
"Almost Grown"
The Beach Boys
"Surfin' Safari"
ほんとにどうでもいいけど、
”個人+グループ”という形式の
音楽ユニットのネーミング、
大好きすぎる。
このあふれんばかりの
昭和のかほり…
たまらんですなぁ…
【あの人は今】
これだけ時が経ってるからね…
みなさん気になるものとみえて
ありました、ありました!
すっかり
年を取ってしまったね…
▼チョイ役も取り上げてて感心しちゃった。
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こんなのもあるよ
▼買ったもの載せてます!
*1:この人、のちにハン・ソロのスピンオフ映画の監督となります。
*2:『スター・ウォーズ』のレイア姫のオーディションに落っこちたらしい…ちょっと観て観みたかったな、この人のレイア姫。
*3:ウルフマン・ジャックは実在のDJで、映画に本人役で登場しています。しゃがれ声のマシンガントークが印象的。吹替は小林克也版や桑田佳祐版が有名だけど、私の観たのは大塚芳忠版でした。大塚さんってのは『フルハウス』のダニーの吹替の人ね。
*4:▼【おまけ】にて華麗なるコッポラ一族を取り上げております(笑)
zuzz.hatenablog.com
*5:彼はジョージ・ルーカスに「心あたたまる作品を書けよ」と勧めたんだそう。すぐれた脚本の書き手として高く評価していたからなんだって(でもルーカスは前作の失敗で脚本はもうこりごりだったので、脚本にあと二人呼んで共作ということでイメージを膨らませていったのでした)。
*6:ルーカスって私と同じノーマン・ロックウェルのファンなんだそうで大変光栄に思っております。いいよね、ノーマンの絵…あったかいんだ…
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*7:邦題は”恋はくせもの”。