「ここにいればさ、
みんなみつけてくれるもんな」
『ドキュメント
72時間』
ある場所に
72時間密着して、
そこへ
やって来る人々に
インタビュー。
現代に生きる
ごくごく普通の人たちの
生の声を切り取った
ドキュメンタリー番組。
▼食べ物回のダイジェスト。
テーマ曲が流れるよ！
www.youtube.com公式ページwww4.nhk.or.jp
▼前回と前々回のおさらい記事
今回も私が観てきたなかで
心に残った回を
紹介したいと思います。
※Amazonプライムの
NHKチャンネルで観てました！
《津軽海峡 年越しフェリー》
青森と北海道とを
往来する大型フェリー。
そこに12月30日～1月1日の
まさに年末年始に密着。
新婚旅行以来だという夫婦。
36年ぶりの景色に
うれしそうだ。
いろんなことを乗り越えて
今があるんだな。
フェリーには
大型トラックも乗せている。
訛りが素朴な感じのあんちゃん。
一年前に父親を亡くしたんだと
寂しそうに笑ってた。
その父親に憧れて
トラック運転手になったんだって。
形見の数珠をお守りみたいに
ギアにひっかけててね…
「おやじ、ずっとやってたことなんで。
このまま続けられればな、みたいな。
おやじの代わりに」
大部屋で一心に
卒論に取り組む女子大生。
「一人で過ごす年末年始が
すごく寂しかったので…
もう家族と一緒なだけで、
すごく幸せだなと気づかされたので…
もうただ一緒に
ご飯を食べてテレビを見る、
それだけでいいかなと思ってます」
年越しフェリーは
しあわせや
せつなさを
乗せていました。
《赤羽 おでん屋エレジー》
商店街の角にある
立ち飲みスタイルの
おでん屋さん。
お客さんが大勢押しかけるため、
夜はテーブルが出るほど忙しい。
みんな、
おいしそうなにおいに
つられるんだな。
亡くなった母のことを思い出す、と
ほほえんでいた奥さん。
具合が悪い親の顔を見に
実家に行っていた
おひとりさま客の女性。
そのままひとりの家に帰らずに
わざわざ途中下車して
行きつけのこの店に立ち寄ったらしい。
「”おかえりなさい”って
言ってくれる所って
けっこういいじゃないですか。
仕事帰りなのか、遊び、
単に飲みだけかもしれないけど
”おかえりなさい”って
どっかうれしいですよ」
にぎやかな中で食べるおでん。
一人だけど、
独りじゃない。
おなかを満たして、
ほっこり笑顔で去ってゆく
お客さんたち。
これがおでんの魔力。
優しさなんだな。
《トラック一人旅 風に吹かれて》
車道をゆくのは
大型トラックばかり。
九州の中央に位置するここは
重要な物流拠点だ。
今回の取材場所は
トラックステーション*1。
移動で疲れた
長距離ドライバーたちの
憩いの場だ。
食事、風呂はもちろん、
仮眠や洗濯もできる。
食堂のボリューム飯を
すきっ腹にかきこめば
充電完了！！
じつは
私が車中泊に憧れたのも、
この回なんだよね。
大型トラックって
寝るためのスペースもあるから
おもしろいんだよ。
今は女性もいる。
たくましいのだ。
福岡在住だけど、
幼い子どもたちのために
貯蓄したいから…と
単身で北海道の会社に
転職した男性。
「勉強して、
ちゃんとした仕事に就いてほしいけど…」
「やっぱ若いとき遊びまくると、
苦労して金を稼がないかんやないですか」
父親の顔。
そりゃ子どもにはなるべく
いい暮らしをさせてあげたいよね…
途中、奥さんと子どもたちが
迎えに来てて
すっごくうれしそうでした。
今日はたった一日だけの
休暇だったみたい。
これがあるから
離れてても
がんばれるんだね。
私たちがなにげなく買ってる
肉、野菜、飲み物。
みんなこの人たちが
運んでくれてるんだな…
日本の物流を
支えてくれて、
ありがとう！！！
ニシン漁がさかんな漁師町。
そこにたたずむ
地元のコンビニは、
パンも弁当も惣菜も
その場で調理する本格派。
味噌汁もあるし、
炊飯ジャーのごはんは盛り放題！
中でも実は”豚肉”な
”やきとり弁当”は一番人気。
タレ、塩ダレ、辛い系と味も選べて
名物になっている。
作った人の顔が見えるのって、
手作りのぬくもりが
感じられていいよね。
この町は漁業で成り立っている。
なのに今年はぜんぜんダメ！と、
漁師のおじさんたちは苦い顔。
魚が獲れなければ
当然生活に直結する。
22時過ぎ、
半額になるパンを目当てに
来店する常連客のおじいちゃん。
「疲れればね、甘いものがね、
ちょっと摂りたくなんのさ」
「タバコも吸わない、酒も飲まない。
趣味はね、歌なわけ」
なんと83歳の現役の漁師だった。
葬儀の帰りに立ち寄った
丁寧な物腰のおじいちゃん。
元中学校教師で90歳！
車の助手席には
額縁に入った奥さんの写真。
「今日拝みに来るのに
一緒に連れて行きました。
寂しいから、
助手席に連れて歩いてます」
今日は寒いからって額縁を
カーディガンで包んであげてるの。
愛しておられるのねぇ…
ほほえみながら
奥さんの思い出を語る姿に
じんわりしました。
おじいちゃんたち…
元気でいてよね！
《巨大団地 中古ショップでハロー・グッバイ》
多摩ニュータウン近くの
リサイクルショップ。
本、CD、ゲーム、
服、くつ、バッグ、
家具に家電、楽器まで
なんでも買える大型店。
毎日たくさんの人が訪れる。
激務でダウンし、
10か月間の休養から戻った
自動車会社勤務の53歳男性。
「ちょうど一週間前に屋久島に行って
ウミガメを見たら
ちょっとハマってしまって」
「ああこれは、やってみたい！と」
ダイビングへの興味がわき、
必要なものを見に来たらしい。
そうそう、
こういうちょっとした好奇心が
生きる活力になるんだよね。
音楽の機材を売りに来た
41歳男性。
「捨てた分だけいろんなものが
入ってくるって聞きますよね」
「僕みたいに
音楽を始めようと思う人がいたら
うれしいですよね」
捨ててしまえば
そこでもう終わり。
ここに
持ってくることで
また誰かの
大切なものに
なるんだな。
《秋田 真冬の自販機の前で》
汽笛が聞こえる
秋田港のすぐそば。
密着するのは、
なぜか大人気な
うどん・そばの自販機。
この自販機はとっくの昔に
生産中止になったため、
故障しても部品がない。
まだどうにか動いているけど
つゆはあふれんばかりだし、
お金を入れても
肝心の商品が
出てこなかったり…
不具合を起こして
けっこう危なっかしいのだ。
場所だって、
雪も海からの風も容赦なし。
それでもお客さんは
暗かろうが吹雪だろうが
朝から晩までひっきりなし！
なんせ設置してからもう
40万杯以上も売れている。
愛されている自販機なのだ。
つきあって3年だという
彼氏(37歳)と彼女(44歳)は
慣れた様子でトレーを持参。
なんでも出会う前から
彼女はここで食べていたらしい。
「たぶん絶対おいしいって言うし
また食べたいって言うと思った」
大切な人ができたら
ここに連れてきたいと
思っていたんだって。
「出会う前から食べてたものを
一緒に共有してもらいたいというかな」
こういうの、
いいなぁ…
レストランじゃなくて
自販機のうどんっていうのが
飾りがなくてさ。
そしてそれを
おいしいね！って言って
一緒に食べてくれる人の
ありがたさ。
10代のときは仲間と、
そして我が子とまた来てる
39歳シングルマザーの言葉も
めちゃくちゃ沁みた。
おいしい食べ物って
ささやかな喜び、
希望だよね。
この自販機は放送翌年に撤去。
そして現在は
近くにある道の駅
あきた港セリオンに
お引越ししています！
オーナーも元気で
うどん作ってて感動した～！
www.selion-akita.com
▼自販機の使い方が紹介されてます！
www.jreast.co.jp
そして毎回エンディングで
この歌が流れてくると
胸がきゅっとなるんだよね…
松崎ナオ
”川べりの家”
- provided courtesy of iTunes
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