「どこで生まれるかなんて運でしかないよ」
「できることはお互い笑顔でいること」
『ドキュメント
72時間』
ある場所に
72時間密着して、
そこへ
やって来る人々に
インタビュー。
現代に生きる
ごくごく普通の人たちの
生の声を切り取った
ドキュメンタリー番組です。
そして
ごくごく普通の人たちの日常を
といった俳優陣が
ナレーションしているのも
また味があるんだよな。
今回は私が観てきたなかで
心に残った回を
紹介したいと思います。
《田んぼの中のオアシスホテル》
新潟県にあるボロ宿。
1階はフード自販機や
アーケードゲームが並ぶ娯楽場、
2階は一泊2880円の
ホテルになっている。
こんな古くさい場所だけど
意外や意外、
知る人ぞ知るスポットなのだ。
フード自販機の中でも、
トーストサンドは
これを目当てに県外から
訪れる人がいるほどの人気*1らしい。
こんなとこが
オアシス!?
と思ったけど、
観てたらわかった。
「ここはそうだね
唯一リラックスできる場所」
家にいても窮屈だったり、
親の介護を
しなきゃいけなかったり、
自分の病気と闘ってたり…
そんな男たちを
包み込んで
一瞬の安らぎを
与えてくれる
場所なんだ。
《南国の不夜城 24時間超巨大スーパー》
広さは東京ドーム3つ分。
生鮮食品・日用品はもちろん、
本や家具や仏壇、
なんと車まで置いてある!
39万点の
圧倒的な品揃えを誇る
24時間経営の
巨大スーパー。
「衝動買い もう隅から隅まで
時間があるから」
田舎だから、
遊べるような場所もない。
だから若い子もお年寄りも、
ヒマになったらここにやってくる。
中高生のデートも、もちろんここ(笑)
「人生とは 安全運転」
行けば必ず
何かがみつかる。
でも
何もいらなくても
誰かに会いたくて
行っちゃう。
にぎやかだけど、
ここが地元の人たちの
ホッとする場所なんだろうな。
《名古屋 レトロ喫茶へようこそ》
愛知県にある喫茶店。
昭和22年に創業して以来、
地元の人々に愛されてきた。
店内はいつも
常連客でにぎわっている。
男性が
幼い娘を連れてやってきた。
自分も幼い頃に
連れてきてもらったから…と、
娘と思い出の店へ来たのだそう。
サンドイッチをほお張る子どもを
祖父母や両親もこんな気持ちで
見ていたのかもしれない、と言う。
「腹いっぱい食べてほしいなあ
喜んでほしいなあって
そんな気持ちですよね」
この子にとっても、
思い出の味に
なるんだね。
《北のどんぶり飯物語》
震災から6年を迎える、
宮城県の24時間営業の食堂。
安くて美味くて
ボリューム満点!
この店のどんぶり飯とは
なんと茶碗4杯分のこと。
復興のために
移住してくる人が増えたこの町。
体が資本の男たちが、
胃袋を満たしてくれる
どんぶり飯を
毎日かっこみに来るのだ。
「あったかい物が
食べられるっていう幸せは
あの(震災)ときになって
初めて感じました」
「食べ物があるってことは
ありがたいことだからね」
3.11の津波は
建物の近くまで来たらしい。
調理スタッフの仲間も
二人犠牲になった。
黙祷のたびに思い出すんだって。
2回登場した、
防潮堤を作るために
大阪に妻子を残してやってきた
石工職人のあんちゃん(29歳)が
いいこと言ってたんだよなぁ…
《小さな屋台カフェ 千夜一夜物語》
栃木県足利市。
70代の兄弟二人で
切り盛りしている屋台カフェ。
開店時間は天候にもよるけど、
だいたい夕方から深夜まで。
メニューはホットコーヒーのみ。
「ふらっとたまに飲みたくなるんですよね」
「ここに来るといろんな人がいて
おもしろいですよね」
酔っぱらってるわけでもないのに
なんだか妙に
感傷的な話もしちゃって。
ぽつ、ぽつ、と
灯された
優しい
ランタンの灯りで
暗い夜道に
魔法のように
浮かぶ屋台。
コーヒーを飲んだ誰もが、
笑顔になっていました。
”関門海峡 海底トンネル”
福岡県と山口県を結ぶ
歩行者専用の海底トンネル。
週4回、
寄り添って歩く老夫婦。
目が見えない夫が
いちばん歩きやすい場所らしい。
「私の方が助けてるって
皆さん思われるんですけど
実際はそうじゃないので
いろんな面で助けてもらってるので」
奥さんが言う。
ここは海底。
景色も何もない。
「何もない中でも”何か”があるみたいな」
まっすぐ、
ただただ
続くトンネル。
人生みたいだな。
《大病院の小さなコンビニ》
千葉県の総合病院の中にある
ローソンは、
ほんとうに”何でも屋さん”だ。
車椅子でも大丈夫な広めの通路。
入院患者のための日用品や
健康的な低カロリーの食べ物が
棚に並べられている。
食べるために駆け込む
医療スタッフ、
入院生活のヒマつぶしに来る
患者さん。
お客さんもさまざまだ。
朝、夜勤明けで今から日勤です!と
健康ドリンク2本飲み干して
激務だけど仕事は楽しい!と
笑顔で去って行った
産科医(30代)の女性。
23時に仕事あがりでまた再会。
朝は元気キャラだと思ったけど
実は不眠症だったことがわかった。
「本当 仕事はね
すごいつらいですよ やっぱり
扱っているものが重すぎて
医者はみんなそうだと思うんですけどね
やっぱり生まれてくる命なんでね
本当に重いです
4回ぐらい病院で泣きましたもん
産婦人科医になってから」
今どうしているんだろ、先生。
眠れてるかな?*2
そのあと出てきた
救命救急医(30代)の男性も、
ごはんを食べたら
そのままイス3脚を並べて
白雪姫みたいにして
寝ていました。
この病院、
大丈夫なのか…
お医者さんたちみんな
激務っぽくて
ヨレヨレなんだが…
入院した妻(70代)と
ご主人(70代)。
一人で外食できないから
一人で作って一人で食べてる、と
寂しそうに笑う夫に
「だから早く帰りたいんです
ただそれだけのために早く帰りたいわ」
と車椅子からほほ笑む妻。
互いを思いやる姿が
印象的だった。
■□■□■□■
人生、
思いもかけないことで
日々の暮らしに
影がさすことがある。
今がそうだ。
自由にどこか遠くへ出かけたり、
思いっきり外ではしゃいだり。
去年まで
当たり前にできていたことが
できなくなる日が来るなんて。
世界中が大変な混乱の最中にある。
毎日、暗いニュースばっかりだ。
日に日に人の心もギスギスしていく。
だからなおさら
こういう番組が胸に響く。
「どういうふうに
生きても一緒ですから
明るく生きないとね」
って言葉が出てきてね、
ほんとにそうだなって思った。
こんなときだからこそ
そばにいてくれる人や
ささやかな幸せを
大事にできる
自分でありたいな。
いや~
いいもの観させてもらいました!
▼続編
▼再放送もときどきあるけど、
いっそのことここで観るのもいいかも!
※Amazonプライムの中の
NHKチャンネルだから別料金だけど…
【おまけ その1】
エンディング曲がね、
またいいのよ…
松崎ナオ
”川べりの家”
終盤にさしかかって
この曲が流れると
せつなさが
どっと押し寄せてきて
「あぁ…今日もいい話だったな…」
てなるのが
『ドキュメント72時間』あるある
だと思うんだけど、
これって私だけ(笑)?
▼アコースティックギターVer.
【おまけ その2】
私はこの番組は
社会見学のつもりで観ているが、
ヒロエトオルさん
みたいな
観かたをするのも
おもしろいな(笑)
▼甘酸っぱ~( 」´0`)」
www.youtube.com
まだまだ
観てない回が
いっぱいあることに
気づかされる…
▼ヒロエさん回
ちょっと癒され、
ちょっと
せつない作品を
お探しのあなたに…
▼買ったもの載せてます!