「でもいったい何やってんねやろ思わんか?
俺が毎日やってることていったい何やねん。
飯食うて座禅して掃除して、
ワケも分からずお経あげる。
いったい何の役に立つっちゅうねや」
『ファンシイ
ダンス』
本木雅弘,鈴木保奈美,大沢健,彦摩呂,田口浩正,
甲田益也子,竹中直人,大槻ケンヂ
1989/周防正行
寺の跡取り息子が
弟や仲間たちと
厳しくもおかしい
修行生活を送る
お話です!
原作は岡野玲子のマンガです。
住職となり、
長男としての役割を果たすため、
明軽寺の門をたたく陽平。
それぞれの事情から
寺を訪れた仲間たち、
かわいくてあざとい弟の郁生、
ドライなようでマジメな英峻、
食いしんぼでどんくさい珍来と
部屋を共にすることに。
この雲水(修行僧)の
生活が、
とにかく
厳しいのだ!
上山を許された雲水は
まず旦過寮に入り、
ここで僕たちは
修行生活の基本を叩き込まれるのだ。
基本中の基本、
それは午後9時に寝て、
午前3時に起きることだ。
僕達は一週間、
ただひたすらに座り続ける。
座禅から解放されるのは、
三度の食事と朝の回廊掃除、
そして便所へ行くときだけである。
作中ナレーションより
この期間を経て
入門が許された4人。
修行の道がようやく始まった。
寺の内部は組織立っていて
僧一人ひとりに公務が与えられる。
修行僧とはいえ、
寺の運営の一端を担っている。
そしてその公務はときどき変わるが
嫌とは言えない。
作中ナレーションより
陽平の公務は鐘撞(かねつき)。
と言っても大きなあの釣鐘だけを
ボワーンと鳴らすだけではない。
鳴らし物は太鼓から鐘から多岐に渡り、
700年以上も昔から決められた作法で
打ち鳴らさねばならないのだ。
食事も掃除も公務も
すべて作法に則って
行わなければならない。
ひとたびミスをすれば、
即座に古参の僧に
仕置を言い渡される。
先輩方からしごきにしごかれ、
奴隷のような毎日を送る雲水たち。
仲間がストレスで
参ってしまうなか…
「ドン底だと思ったお寺ライフに
作法に生きる意義を発見して、
美意識の強い俺はついに目覚めたんだ!
猥雑な俗世ではついぞ知らなかった
極めつけの美学がある!
この法衣姿の無駄のないラインを見よ!」
寺生まれの血がそうさせるのか
生き生きとしだす陽平(笑)。
だけど先輩方は…
ひとたび自室に入れば
タバコ吸うわ、
酒は飲むわ、
寿司は食べるわ…
雲水たちへの指導とは
真逆の罪深い生活を
送っているのである。
まぁ…
人間だものね!
ぜひ
陽平ちゃんについてって
お寺ライフを
満喫してください。
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脇を固めるのは
終始目のすわった鬼の竹中直人、
”引越しのサカイ”でおなじみの徳井優、
「世界は神が七日かけてお創りになったものだ!」
と迫ってくる姿がシュールな大槻ケンヂと
なかなかいいチョイス。
陽平の彼女、
真朱(まそほ)こと鈴木保奈美も
冷めた目つきがカワいかった。
なお作中たびたび、
先輩への呼称で
”おっさん”という言葉が出てくるが、
これは”和尚さん”のことです。
ネーミングセンスよ…(笑)
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宗派は違えど
仏教高校におりましたので、
非常になつかしく拝見いたしました。
我が家は神道なので完全な他人事だけど、
クラスメイトが夏休みに
得度*3すると聞いて
「寺の子は大変だな~」
なんて思ったものです。
しかし映画を観てると
曹洞宗はことさら厳しいみたいね…
あんなのムリだわ…
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【おまけ】
なななんと
”「ファンシイダンス」の世界観を
音源化したイメージ・アルバム”
と銘打って
1988年に制作されたCDが
はるかなる時を経て
完全版として復活!
なお、
このアルバムを手がけたのは
漫画の神様手塚治虫の息子であり
『ファンシイダンス』の作者
参加したのは以下のみなさん。
★ケラリーノ・サンドロヴィッチ★OTO
なかなか
ユニークな顔ぶれ…
よくこんなの思いついたな…
★原作本
※kindle版です
こんなのもあるよzuzz.hatenablog.com