「失敗を恐れないで。
突き進む勇気を持つの。
得るものはあっても失うものはない」
『アボンリーの
クリスマス』
"An Avonlea Christmas"*1
ジャッキー・バローズ, マグ・ラフマン,
セドリック・スミス, ラリー・ケイドー
1998/ケヴィン・サリバン
前に紹介した
アボンリーが舞台、
『アボンリーへの道』の
特別編です。
▼ドラマ版のおさらい
www.youtube.comzuzz.hatenablog.com第一次世界大戦まっただ中。
カナダ プリンスエドワード島の
美しく小さな町アボンリーでも、
みんなどこか暗い顔。
この特別編では、
不安に押しつぶされそうになりながら
それぞれが迎える
クリスマスを描いています。
今回の
お話の中心は
セーラではなく、
ヘティ。
そう、あの
「フン!」が口癖の
意地っぱりで誇り高い
ヘティおばさんです(笑)
あ、もちろん
アレックおじさん、
ジャネットおばさん、
フェリシティ、
オリヴィア、
リンドのおばさん、
いつもの面々も出てくるよ!
ヘティおばさんは
今回も相変わらず。
クリスマスイベントの準備に
あれやこれやとやかましく
みんなに檄を飛ばして
おおはりきり!
ところが思いがけないハプニングで
彼女は入院することに…
■□■□■□■
ヘティは
キング家の長女であり
教師でもある。
それを誇りに生きてきた。
でも弟も妹も
それぞれ家庭を持ち、
気がつけばひとりぼっち。
生徒たちも時が来れば去ってゆく。
情けなく病院のベッドで横たわる
無力さを憂い、
自分は忘れ去られる存在なのだと
彼女は落ち込みます。
いつになく弱気なヘティでしたが、
かつての教え子たちと再会。
立派に成長した二人は
どちらも親身になってくれて、
”いかなる時も胸を張っていること”を
あなたに教えられた、と述懐します。
誰かが
自分の言葉を
覚えていて、
それを支えに
してくれている。
こんなに
うれしいことはないね。
心が弱ったときや
折にふれて取り出して、
お守りのように抱きしめている言葉。
私もね、あるよ。
ふと、
『オズの魔法使い』
のことを思い出した。
あの話の中で、
ブリキのきこりは心を、
かかしは知性を、
ライオンは勇気を
授けてもらうために
ドロシーと旅に出る。
けれど最後には
心も知性も勇気も
それぞれの中に
もう持っていた
ということがわかる。
大切な仲間と
楽しいこと苦しいこと
いろんな場面を共有して
絆ができたことで、
自分の中に埋まってた
宝物がみつけられたんだよね。
ひとりぼっちでは
気づけないことがある。
それは
誰かと向き合うたびに、
その人を通して
新たな"自分"が
見えてくるということ。
”何も持ってない人”なんていない。
ひとりぼっちでは気づけないだけで、
”何か”がきっとある。
その”何か”は
特別な誰かにみつけてもらうのを、
今もじっと待っているのかもしれない。
自分は無力だ、
ひとりぼっちだ、
と思ったら
これを観てほしい。
そんなことないよって
気づかせてくれる作品です。
ドラマ版
シーズン1のみ
全巻セット
▼『アボンリーへの道』の原作
*1:別名"Happy Christmas, Miss King"
*2:名作です…ぜひ。
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