「ママがプリンスエドワード島のこと
大好きだった理由がわかるわ、ルイザ。
そう思わない?」
『アボンリー
への道』
"Road to Avonlea"
サラ・ポーリー,ジャッキー・バロウズ,
マグ・ラフマン,セドリック・スミス,
ジーマ・ザンプローニャ,ザッカリー・ベネット,
R.H.トムソン,マイケル・マホネン,
コリーン・デューハースト,パトリシア・ハミルトン
1990/ケヴィン・サリヴァン
20世紀初めのカナダ。
暮らす人々を
描いたお話です。
プリンスエドワード島にある
小さな村アボンリー。
何不自由なく暮らしていた
お嬢さまセーラ。
しかし
父の事業が傾いたために、
亡き母の故郷
アボンリーへ預けられます
厳しい伯母ヘティ、
おちゃめな伯母オリヴィア、
優しい伯父アレック、
トラブルメイカーのいとこたち、
そして
個性豊かなアボンリーの人々…
セーラは島の暮らしで
かけがえのない経験を
たくさんして成長してゆきます。
●○●○●
もうあの
牧歌的なオープニングだけで
穏やかな気持ちになれる。
アボンリーといえば
『赤毛のアン』の舞台。
『アボンリーの道』が
素晴らしいのは、
なんといっても
1985年の
アンの世界と
リンクしていること!
▼おさらい
zuzz.hatenablog.com
サントラ
クリスマススペシャル*1は
字幕版だったけど、
ドラマは吹替版しか観たことないので
今回は字幕版で観てみました。
訳のニュアンスもちがって新鮮。
全シーズンを一度観た方は
最初と逆のバージョンで
観てみることをおすすめします。
●○●○●
しかしこうして観返すと
あれですね…
ヘティが
誇り高すぎる!
”キング家の長女”
”教師”*2
という自負が強いあまり、
言い出したら聞かないキャラに。
意地っ張りだし、ミーハーだし、
嫉妬深いし、皮肉屋だし。
でも
ある意味いちばん
人間らしいのかもな。
なんだかんだ
憎めない人なんだよね、
ヘティおばさんって。
セーラは
いつもまっすぐで
太陽みたい。
誰が相手でも物怖じせずに
自分の意見を言える。
正義感が強くて、
困ってる人を見たら
もうほうっておけない。
損得抜きで
”誰かのために何かしたい!”って
動くことのできる子なんです。
おせっかいが過ぎて
トラブルになることもあるけどね!
『アボンリーへの道』は、
お話が進むにつれて
セーラがしだいに遠ざかってゆき*3、
彼女の従姉フェリシティをはじめとする
キング家がドラマの中心になります。
読み書きのできなかった
孤独な流れ者ガス・パイクが、
ヘティの教えで
教養を身につけてゆくところも
このドラマのみどころのひとつ。
涙あり、笑いあり、ロマンスあり。
たまに謎解きのようなお話や
スリリングなお話もあって
あきさせない作りです。
ちなみに私は
頼りになるアレックおじさんと
優しいオリヴィア*4が好き。
きらきらして、
みずみずしい、
ささやかだけれど
やさしいお話が
いっぱい詰まった
宝石箱みたいな
ドラマです。
全92話だから、
ゆっくりたっぷり楽しめます。
こんな
世の中だからこそ、
観てほしい。
時代が違っても
変わらないものがある
ってことを
教えてくれる作品です。
シーズン1のみ
全巻セット
▼『アボンリーへの道』の原作
*1:『アボンリーのクリスマス』。いいお話だからぜひ。
*2:すぐ結果だけを見て判断しちゃうヘティ。罰するべき人に罰を与えず、こともあろうに被害者におしおきしちゃうなんてこともしばしば。教師たるもの、きちんと目配りできてないとダメだろう!
*4:気弱なジャスパーとの恋模様もほほえましかった。
*5:アンの恩師ミュリエル・ステイシー先生も出てきます。あと『赤毛のアン』でローソン雑貨店のアリスを演じたマグ・ラフマンはセーラの叔母オリヴィアに、ダイアナの父親を演じたロバート・コリンズはセーラの父親ブレアに、ドラマではそれぞれ変更されてます。
ちなみにキング家の次男ロジャー(ヘティの弟、アンドリュー父親)の吹替をしたのは下條アトムでした。