「そっか。簡単なことなんだ。
あたしもやればいいんだ」
『耳をすませば』
本名陽子,高橋一生,室井滋,立花隆,
小林桂樹,露口茂, 高山みなみ
1995/近藤喜文
中学生の少女、
月島雫の
短くも濃い
青春の1ページを
描いたお話。
原作は柊あおい先生のマンガです。
雫は中学3年生。
受験生だが勉強に
精を出すわけでもなく、
所属するコーラス部のための
訳詞(意訳)を考えたり、
本をむさぼり読んだりと、
夏休みでもマイペースだ。
そんなある日、
図書館へ向かう途中に
太った猫を見かける。
その姿に妙に惹かれた雫は
物語の始まりのようだと
心躍らせて追いかける…
■□■□■□■
帰ってきた妹に
「おねーちゃん、ヤッホー!」
と話しかけられ、
「『耳をすませば』かい!」
とツッコんだのは先月のこと。
それからなんとなく
サントラが聴きたくなって、
流してみたら
これがまた、
いいんだ…
※これについては【おまけ】でのちほど…
音楽聴いちゃったら、
また映画が
観たくなっちゃったのよね。
夏休み、
図書館、
団地、
坂道。
この映画、
私の好きなものづくし。
夏の描写が特に好き。
中学3年生のとき、
私、何してたっけ?
友だちとする手紙のやり取りが
すんごく楽しかったな。
吹奏楽部の朝練と夜練の
非日常感にワクワクしたな。
悩みもあったけど、
なんとかやれてた。
将来の夢なんて、
まだ影も形も
なかったな。
だから雫みたいに
”これだ!”ってものを持ってる人、
どんどん前を進んでゆく人に
気おくれする気持ちがわかる。
学年一位の友だちや、
野球でスカウトされた男の子が
どんなに眩しい存在だったか。
でも大人になった今、
中学生は
どの子もみんな
きらきらして見える。
聖司くんのおじいさんも
言ってたけど、
みんな原石なんだね。
『耳をすませば』は、
揺れる心のきらめきが
愛おしいのだ。
それと風景の描写ね。
夏になると
観たくなる
映画です。
雫が地球屋で見た柱時計、
文字盤の所に"Porco Rosso"てあったの。
ポルコ・ロッソって『紅の豚』!
今回 初めて気づきました(笑)
原作
設定も内容もずいぶん違います(笑)
雫んちはすてきな一軒家だし、
聖司くんのお兄さんも登場するのだ!
▼これは続編
【おまけ その1】
『耳をすませば』は
サントラが
ホントにおすすめ。
”丘の町”
夏の朝のお出かけに
これを流しながら行くと
さわやかな気分になれます。
”電車に揺られて”
ポワポワした音が
耳に心地よい曲。
このまま電車に乗ってたら
いつの間にか眠っちゃって
不思議の国に行きそうな…
”流れる雲、輝く丘”
希望に満ちた
きらめきが感じられる曲。
”追憶”
とても優しい旋律なんだけど
胸がきゅーっとしめつけられる。
”夜明け”
壮大であたたかな曲。
いつか丘の上から
景色を見下ろしながら
夜明けとともに
この曲を流してみたいな。
作曲者は
野見祐二さん。
このサントラ、
夜にかけてもまたいいんだ。
▼雫版”カントリー・ロード”も収録!
ちなみに冒頭で流れる歌は
”カントリー・ロード”、
つまり
"Take Me Home, Country Roads"
カバーバージョン。
原曲はジョン・デンバー。
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エンディングは
雫役の本名陽子が歌ってますね。
アメリカ版がただただ
”なつかしい故郷へ帰りたい”
という思いを歌っているのに対し、
日本語版は
”故郷はなつかしいが
今はまだ帰るべきではない”
といったニュアンス。
雫がまだ故郷から出ていない、
これから羽ばたいてゆく世代だからなのか…
【おまけ その2】
「クレモーナって、どんな街かな」
雫が言ってたね。
クレモーナって、
こんな街です。
【おまけ その3】
図書館で聖司くんが読んでた
『霧のむこうのふしぎな町』は、
柏葉幸子先生の児童文学です。
▼昔のイラスト復刻版が出てる!
▼文庫版
『千と千尋の神隠し』は
この話から着想を
得ているらしいよ!
『地下室からのふしぎな旅』
『天井うらのふしぎな友だち』
もおもしろいんだ。
【今日の知ってる人】
「わぁ…空に浮いてるみたい…」
われらが主人公、
月島雫。
本名さんは
『おもひでぽろぽろ』でも
主人公岡島タエ子(小学生)役。
▼『おもひでぽろぽろ』回
zuzz.hatenablog.com
『アボンリーへの道』では
セーラの従姉フェリシティの
吹替えをやってました。
▼『アボンリーへの道』回
「おまえなぁ、本の読みすぎだよ」
口は悪いが
まっすぐな少年
天沢聖司。
演じていたのは
遅咲きの俳優、高橋一生。
キャリアでも私生活でも
けっこうな苦労人だったのね…
▼岸辺露伴はオススメ!
「なぁにこれ、雫!
散らかしっぱなしじゃない!」
雫のお姉ちゃん役。
『おもひでぽろぽろ』でも
タエ子の上のお姉ちゃん、
ナナ子役でした!
テレビドラマによく出てるよ。
三谷幸喜映画にも出演してます。
▼『12人の優しい日本人』に出てます!zuzz.hatenablog.com
「でもな、
人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。
何が起きても誰のせいにもできないからね」
穏やかだが
一家の柱として
言うべき時は言う
雫のお父さん。
雫の本好きは図書館司書*2の彼の影響か。
”人と違う生き方は、
それなりにしんどい”
ほんとね…
今になってしみじみ受け止める、
お父さんのありがたいお言葉。
実は雫のお父さん、
本業は郷土史家という
設定があるらしい。
食べてゆくため、家族を養うために
図書館司書として働くかたわら、
研究を続けているということか…
だから
”好き”を仕事にする人の
しんどさがわかるんだね。
立花さんは俳優じゃないし
水戸訛りもすごい*3んだけど、
それこそが制作陣の求める
人材だったのだとか!
「試すって何を。何を試してるの?」
社会人学生で
修士論文に大忙し、
知的だけど
おっちょこちょいな
雫のお母さん。
室井さんは言わずと知れた人気女優。
テレビに映画に引っ張りだこだけど、
私はナレーションの声が好き。
なお室井さん、
一級小型船舶免許を持っているそう!
▼ここでは破天荒な次女レイ子役
「雫さんも聖司も、その石みたいなものだ。
まだ磨いてない、自然のままの石」
優しくて
おちゃめな
地球屋の店主、
聖司のおじいさん。
小林さんは昭和を代表する俳優だね。
『弁護士 朝日岳之助』で
主役朝日弁護士をやってました。
ジブリ映画への声の出演を、
孫たちが喜んでくれたのが
とてもうれしかったそう。
「本の寄贈者?僕に分かるかなァ…」
職員室でランチ中に
生徒(雫)から
わけのわからない
質問を受ける先生の役。
岸部一徳の弟としておなじみの岸部さんは
沢田研二(ジュリー)のいたグループ、
岸部一徳(サリー)の血縁者ということで参加。
ギター担当であるにもかかわらず
演奏ができなかったため、
加入当初は完全なる
エアギターだったのだという…
「先生、雫にもようやく、春が来たんですねぇ~」
雫の友だち役。
なお『おもひでぽろぽろ』では
あのツンツンしたモノ申す系女子な
谷ツネ子もやってました!
「いざ、お供つかまつらん!
ラピスラズリの鉱脈を探す旅に!」
雫の書いた物語に出てくる
バロンこと
フンベルト・フォン
・ジッキンゲン男爵。
露口さんといえば
『太陽にほえろ!』の山さん、
『シャーロック・ ホームズの冒険』の
ホームズがつとに有名。
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