「せいちゃん、帰ろう！
お母さんが心配しゆうき！」
『絵の中の
ぼくの村』
田島征三, 田島征彦, 松山慶吾, 松山翔吾,
原田美枝子, 長塚京三
1996/東陽一
田舎の村で暮らす
双子の少年たちの
おはなしです。
![絵の中のぼくの村 [ 原田美枝子 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/8010/4523215038010.jpg?_ex=128x128 "絵の中のぼくの村 [ 原田美枝子 ]")
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原作は絵本作家
田島征三のエッセイ。
やはり絵本作家である
兄の田島征彦との
少年時代をつづったもの。
兄 征彦の代表作
![じごくのそうべえ （童心社の絵本／そうべえ そうれ ごかっさい） [ 田島 征彦 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2039/9784494012039_1_2.jpg?_ex=128x128 "じごくのそうべえ （童心社の絵本／そうべえ そうれ ごかっさい） [ 田島 征彦 ]")
[rakuten:book:10170548:detail]
弟 征三の代表作*1
![はたけうた （こどものとも傑作集） [ 田島征三 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2322/9784834022322.jpg?_ex=128x128 "はたけうた （こどものとも傑作集） [ 田島征三 ]")
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冒頭、
田島征三と
征彦(と奥さん)が登場。
なんと、本人です。
まさかのドキュメンタリー？
とびっくりした。
その映像に、
征三によるナレーションが重なる。
今は東京と京都に別れて住んでいるが、
僕達は子供時代の数年間を
高知県の田舎の村で過ごした。
心の一番深いところで
僕達の今を支えているその体験を、
今度初めて二人の合作で
一冊の絵本にすることになった。
あの村で過ごした数年間は僕達にとって、
ただの懐かしい記憶とは言えない。
かけがえのない、貴重な日々だった。
50歳を過ぎた今でも、
抱きしめたいほど大切な、
いとおしい思い出がいっぱい詰まっている。
そして回想が始まる。
土砂降りの道を、
釣竿を手に駆ける
二人の少年。
いがぐり坊主で、
そろいの半ズボンに
顔かたちはうり二つ。
田島家の双子だ。
昭和28(1948)年の高知。
双子は、母と姉と共に
親戚の家に住んでいる。
この親戚のおっさんが
”タジマのジンマ”と呼ばれる
ケチの偏屈じいさんで
またおっかない人なんだ。
お母さんは教師で職もあるけど、
役人のお父さんが
単身赴任で不在がちだから、
女子供だけで
肩身の狭い思いをしてるんです。
さてこの双子、
ゆきちゃんと
せいちゃんは
わんぱく坊主。
いたずらしたり、
畑を荒らしたり、
かと思えば
そろっておねしょしたり、
お姉ちゃんの友達に
ちょっかいかけられて
カメみたいにちぢこまったり、
かわいい悪ガキちゃんたち。
あのいがぐり頭…
思わずなでたくなります(笑)
双子ってセットだからか、
それぞれに役割があるみたいね。
ヤギのエサ取りで二人が
「やっちゃるぜ！」と
よその作物を刈りまくるアクセル型と
「やめちょき！」と
たしなめるブレーキ型に分かれてて
ふふってなりました。
このあとお母さんが畑の持ち主に
教師のくせに
自分の子どもも教育できんのか！
とこっぴどくしかられるのね。
で、くたびれ果てて帰ったお母さんは
双子を見るなり
「ゆきちゃん、せいちゃん！
こっちおいで！
あんたら、まっこと
何ということをしてくれたがぞね！」
って一喝するんだけど、
その後がおもしろい。
「よその畑のサトイモ、
鎌でスパスパ切って！
…気持ちよかったろ」
「うん…」
「気持ちよかったろうねぇ。
母さんもやってみたかったぁ」
いやぁお母さん…
実におおらかですな！
子どもたちといるときは
ちゃんと母親してるけど、
一人で歩くときは
傘をくるくる回したり、
けんけんぱしたりしてて、
なんかかわいらしい
お母さんなのでした。
同じ学級にはいろんな子たちがいます。
やいのやいの言ういじめっ子集団、
やさぐれた一匹狼のセンジ、
そして
心に残ったのがハツミ。
家庭が貧しい農家らしく、
いつもボロを着てる彼女。
家の手伝いもしっかりするし
人に分け与えることを知っている
心優しい子でした。
出だしがドキュメンタリーで
そこから回想という構成だけど、
大木の枝に腰かけて村の噂話をしたり
強風を引き連れて登場したりと
あきらかに人間でない老婆三人衆*2や、
相撲のお誘いをしてくる
河童も出てきて(笑)、
単純な回想ものとは違う
幻想的な仕上がりになってます。
田舎の風景が恋しい、
夏休み気分に浸りたい…
そんな方は
せひ観てみてください！
このあとできた兄弟による合作絵本
![ふたりはふたご [ 田島征彦 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/0375/9784774300375.jpg?_ex=128x128 "ふたりはふたご [ 田島征彦 ]")
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【おまけ その1】
この映画は
撮影されました。
双子が魚を獲る川は仁淀川。
今でも澄んだきれいな川です。
▼にこ淵！吸い込まれそうな絶景！
【おまけ その2】
が奏でる音楽が
またいいんです。
古楽器が紡ぐ音色は、
まるで双子の少年時代の思い出が
侵しがたい、
神聖なものであるかのように思わせる。
世界観にどうしようもなく惹かれて
冒頭のクレジットで
”音楽 カテリーナ古楽合奏団
『Doctia』より”
ってなってたから、
即ネットで取り寄せてしまった…(笑)
お気に入りらしく、
サントラに登場させてました。
- アーティスト: ラジオ・サントラ,カテリーナ古楽合奏団
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 1996/07/22
- メディア: CD
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こんなのもあるよ
zuzz.hatenablog.com▼双子に関する回
zuzz.hatenablog.com
▼買ったもの載せてます！
