「人生は短すぎるの。
だから不幸になってる暇なんてないわ。
みんなそんなことに気づきもしないけど」
『ターシャ・
テューダー
静かな水の物語』
2017/松谷光絵
アメリカ、
絵本作家であり
園芸家でもある
ターシャの
コーギーコテージでの
四季の暮らしをみつめた
雪の中にひっそりとたたずむ
大きな屋敷。*1
暖炉の火とロウソクの灯り。
その日もターシャは絵を描いていた。
かたわらにはコーギー犬メギー。
カップも鍋も
古いものを長く大事に使う、
昔ながらの暮らし。
バーモントに住むこと、
そして
絵を描いて生きていくことは
彼女がずっと夢見てきたことだった。
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1915年、ボストンの
裕福な家庭で育ったターシャ。
肖像画家である母譲りの才能で
幼い頃から絵を描いてきた。
華やかな都会の暮らしになじめず、
自然や動物のいる
田舎の暮らしを選んだ。
絵で生計を立てようと意気込んで
どこの出版社に原稿を持ち込んでも、
断られ通し。
でも描いて描いて
描き続けたターシャ。
努力は実り、
1938年についに処女作
『パンプキン・ムーンシャイン』
が出版される。
そして彼女の本は、
多くのアメリカの人々に
受け入れられていった。
私生活では離婚を経験するも、
ターシャは
4人の子をペン一本で
立派に育て上げたのでした。
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30年かけて創り上げた
ターシャの庭は、
絵の具の箱みたいに
色とりどりの
花、花、花。
有名な花、
ちょっと珍しい花、
雑草だってなんでもあり。
ターシャの庭には
虫や動物にとっては
カフェみたいなもの。
いつもお客さんが来ているのだ。
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時おり、ターシャの絵が
アニメーションで
ピコピコ動き出して
画面を跳ね回ります。
年をとっても失われない
ターシャの遊び心を
表現したかのような演出。
「この家では時間の進み方が違うのよ」
そう言っていたターシャ。
やさしく流れる時間。
家も庭も彼女の内面を
映しているみたいだった。*2
晴れた日の午後、
はだしで
家の外に腰かけて
庭を眺めながら
ゆっくり
お茶を飲む姿が
印象に残った。
こういう暮らし、いいな。
すてきだな。
「今日は気持ちのいい日ねぇ」
【おまけ】
この作品で流れる
音楽が、
ふわふわきらきらして
とてもやさしかった。
"Happiness"
"Weeding the Garden"
"Link"
▼なぜか惹かれてしまう不思議なハーモニー
【登場した代表作】
『パンプキン・ムーンシャイン』
『コーギビルの村まつり』
『喜びの泉』
『輝きの季節』
『喜びはつかむもの』
『もうすぐゆきのクリスマス』
『ベッキーのクリスマス』
『コーギコテージの四季』
『ターシャ・テューダーのクックブック』
▼ターシャのことを知る
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