「みんな見てるところがバラバラよ。
私の手を見なさい」
『クラーク・
シスターズ』
"The Clark Sisters:
The First Ladies of Gospel"
2020
アンジェラ・バーチェット,クリスティーナ・ベル,
シェレイア・フレイジアー,レイヴン・グッドウィン,
キアラ・シェアード,アーンジャニュー・エリス
ゴスペル界に
新風を巻き起こした
半生を綴るお話。
1963年のデトロイト。
母親マティにたたき起こされ、
眠い目をこすりながら
早朝から歌わされる
5人の娘たち。
マティは牧師夫人であり
聖歌隊の指導者だ。
完璧主義者の彼女相手に
手抜きは許されず、
娘たちはゴスペルのイロハを
一人残らず
徹底的に叩き込まれる。
そして10年後、
教会を率いる存在として
娘たちは歌っていた。
しっかり者のジャッキー*1、
奔放なデニース、
ひかえめなトゥインキー、
チャーミングなドゥリンダ、
甘えん坊なカレン。
歌にかけては
5人の右に出る者はいない。
しかし助祭である父は
娘たちの学業や家のことが
おろそかになっていること、
妻が野心を持つことを
良く思わない。
「あの子たちを
ジャクソン5にでもするつもりか?」
と不満をぶつけ、
家庭はギクシャクし始める。
もう子供ではなくなった娘たちも
それぞれの道を模索し始め…
♥♥♥♥♥
パワフルな声で
歌う5人の女性。
これでいっきに引き込まれちゃった。
を観たとき
黒人の教会は
ライヴ会場みたいだな、と思った。
うねるオルガン、
割れんばかりのド迫力コーラス、
神を讃える歌詞に
信者たちは
「そうだ!」「いいぞ!」
と声を上げる。
そして徐々に彼らが立ち上がり、
曲に合わせて身を揺らし始める。
とにかく熱いのだ。
ゴスペルの
とてつもなく熱い熱い
歌声のシャワーを浴びると、
私の中にも熱い何かがあって
それが呼応するように
震えているのを感じてしまう。
ゴスペルって
なぜか、
不思議と
高まるんだよなぁ。
♥♥♥♥♥
クラーク家の娘たちと
絶対的な存在の母マティ。
とにかくおっかさんが
強大すぎて、
娘たちが
その我の強さや頑固さを
受け継いでしまったせいか、
肝心の結束の固さに繋がらず
正直ちょっと
モヤモヤするところもあった。
でも家族って、
きれいごとじゃないし。
家族だからこそ、
許せないこともあるし。
これが自伝的映画ってことなのよね。
壁を越えることができたとき、
自分にも眠っていた
何かがあると気づけたとき、
きっかけをくれた
誰かのこと。
心の中のよりどころであり、
絶対に折れない柱となって
いつも支えてくれる誰かのこと。
そんな人のことを
思い出しながら
観てほしい作品です。
でもこれ、日本語版は
ディスク化されてないんだよね…
サントラもないし…ちぇっ。
▼私はAmazon Primeで観ました!
【おまけ】
作品の内容よりも
私が心打たれたのは、
歌の数々でした。
その中でもひときわ
素晴らしかったのは
映画のキャストが歌ったこの曲。
"Nothing To Lose, All To Gain"
▼この曲ダウンロードしたいのにとにかくない!
みなさんのコメントも
「どこ探しても音源がみつからねえ!」と怒りの声(笑)
www.youtube.com
この曲もカバーです。
原曲はこちら。
▼私はこっちよりカバー派なんだけれども…
【今日の知ってる人】
★キエラ・シェアード
カレンを演じたキエラは愛称キキ。
カレンの実子なんです。
なんで私が
この人を知ってるかというと、
この曲を知っていたからなのだ。
The Clark Sisters
J Moss*3
Kierra "Kiki" Sheard
"I Wanna Thank You"
▼全員血族!
歌うために生まれてきた一族なのだな。
あれ、この泣いてるおじさん
フランキー・ビヴァリーよね?
※なお司会はKeith Sweat先生*4!
www.youtube.com
▼このトリビュートアルバムに収録
※他にはJOE*5やMary J. Blige*6も参加してます!
なおCD版はチト高いのでMP3版がオススメ!
この曲はカバーです。
原曲はこちら。
Maze
▼こっちは音も歌唱もスタイリッシュ。
こんなのもあるよ
▼歌う姉妹2連発!zuzz.hatenablog.com
zuzz.hatenablog.comzuzz.hatenablog.com
▼買ったもの載せてます!
*1:この人だけマティと前夫との娘。作中でまったく触れられなかったが前夫との間にもう一人息子がいます。
*2:ブルースもいいぞ!
*3:この人はマティの弟でありゴスペル歌手ビル・モスの息子。つまりクラーク・シスターズの従弟。
*4:▼キース・スウェット出演回
zuzz.hatenablog.com
*5:▼ジョーさん回
zuzz.hatenablog.com
*6:▼メアリー・J・ブライジさん回