”幽霊の襟元は、
首のつけ根から上がプッツリ切れて、
なにもなかった。"*1
『世界怪奇実話集
屍の花嫁
東西怪奇実話』
1959/平井呈一(編訳)
なんせ
"実話"
ときたもんだ。
"事実は小説より奇なり"
とはよく言ったもので、
ここに収められたエピソードは
すべてかつて生きていた人間が
見聞きしたこと。
中には250年前の話も…
それを思うとまた
格別の味わいが
生まれるよね。
第一章には
個人的な愉しみのためだけに
友人知人から
集めに集めたという
よりすぐりの怪奇話が
多数収録されている。
いやはやまったく
奇特な人もいたもんだ。
ハリファックス卿、
ありがとう!!!
特におもしろかったのは
『グレイミスの秘密』。
グレイミス城…
つまりグラームス城のこと。
あのシェイクスピアの傑作
なんと昨年崩御した
エリザベス2世の母親
エリザベス皇太后の
実家である!
ここは幽霊が出ると
有名な城なんだそうで、
今も昔も名所なのだとか。
当然、登場する城主第13代目*4
ストラスモア伯爵夫妻も
実際にいる人物。
だから、
がぜんおもしろいのだ!
なんせ
イギリス人は
幽霊屋敷が大好き。
幽霊屋敷や事故物件なんて
日本じゃ不動産屋さんが
ひた隠しにしたがる案件だけど、
あっちじゃ逆に
価値あるものとして
扱われるらしい(笑)
はなはだ不勉強で恐縮だが、
翻訳と編集を手がけた
平井呈一という人物は
知る人ぞ知る人物なのだそうで。
しかも60年ぶりの復刊となれば、
ぜひとも読んでみるべきだろうと
取り寄せたのが手に取った経緯。
この本が世に出たのが
昭和34年ということもあって
文章の表現には
賛否両論あるようだけど、
私にはこの古くささが
かえって新鮮で抵抗なく没入できた。
原編者と訳者による
親切な註釈も理解を深めるのに
大いに役立った。
ありがたや、ありがたや。
いにしえの人々の
息づかいを感じられる
お話が
もりだくさんです。
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まだまだあるぞ!
奇妙な話…
※すべてフィクションです
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