zuzzのみちくさブログ

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『名探偵シャーロック・ホームズ』~未熟探偵と駆け出し作家の特盛事件簿~【おまけつき】

「頭が切れる普通の探偵なんて退屈です。
 例えば格闘技とか射撃とか
 特別な能力を持たせては?」
「でも実際の彼にそんな能力は何もない」
「先生。
 実際にできるかなんて誰も気にしません」

『名探偵
 シャーロック・
    ホームズ』

"Шерлок Холмс"

イゴール・ペトレンコ,アンドレイ・パニン,
ミハイル・ボヤルスキー,インゲボルガ・ダクネイト

2013
 

ロシア版

シャーロック・
  ホームズ

おはなしです。

二人の人物像を変えているのには
 ちゃんとわけがあるのです…

www.youtube.com

ロシア版ホームズは2度目ですね。

▼こっちが初代
zuzz.hatenablog.com 

ワトソンの語りより

 ホームズはつきあいづらい種類の男だ。

 だが彼に対する私の興味は増す一方だった。

 彼のエネルギーは果てがなく

 ものの見方は核心をついている。

 ただし時折

 虚脱状態に陥るという特徴もあった。

  《中略》

 他人にここまで興味を持つなど

 度が過ぎているのかもしれない。

 しかし彼は私の好奇心を大いに刺激し

 彼の心の壁を何としてでも

 取り払いたいと思わせる。

 それは紛れもない事実だ。

 

軍医として戦地に赴くも負傷し、

帰国してロンドンの街へたどり着いた

ジョン・ワトソン

開業するための

住み家を探そうとした矢先、

往来で殺人事件に遭遇する。

駆けつけた現場にいた男こそ

のちに相棒となる探偵

シャーロック・
   ホームズ
だった。

 

ホームズは27歳。

ワトソンは42歳。

他の作品にくらべて

ホームズ若く

ワトソン

オジサマです。

 

でもってこの作品の中では

ホームズ

推理力だけは確かだけれど、

ヴァイオリンもへたっぴで

ヤクとも無縁。

ケンカもそんなに強くないのだ。*1

その代わり

ワトソン

腕っぷしが、

おそろしく強い

しかも人助けのためなら

4対1でも立ち向かう
(そして素手でやっつけちゃう!)

正義感の持ち主。

射撃の腕前も見事!

タフお医者さまなのだ。

 

なぜ

完全無欠なホームズ

でなく、

未完成なホームズ

に設定したのか。

 

紳士で強くてヴァイオリンも弾ける

天才型のホームズってのは、

のちにワトソン

作品の中で描くことになる彼

つまりありのままの

ホームズじゃなくて、

完全無欠になるよう肉付けしたことで

みんなのヒーローにしたわけだ。*2

 

ワトソンせんせ

作家志望でもあるので、

新聞社にせっせと持ち込みもします。

ホームズの助手として

かたわらにいることで

経験や観察力が培われ、

結果的に作家としても

成長してゆくことになるのだ。

このあたりを観られるのもおもしろい。

 

ホームズものばっかり観てきて

いいかげん食傷気味だったけど

これはいい!

に悶えるホームズ*3

戦争のトラウマに苦しむワトソン

二人の余裕がなかったり

人間くさかったり

するところが

いいんだよなぁ。

 

さらに

原作をそのまま

なぞるのではなく、

練りに練って

魅力的なストーリー

仕上げているので

観ごたえあり!!

全8話。

あんまりおもしろいから

いっきに観ちゃった。

 

原作至上主義者なんて言って

敬遠するのはもったいなさすぎ!

学者肌ホームズ

漢気ワトソン

おすすめです。

堅物だが話せない奴ってわけでもない
レストレード警部
手厳しいが面倒見のいい
ハドソン夫人
どこまでもミステリアス
マイクロフト兄さん
いい味出してます(笑)

 

それはそうと、

毎回冒頭に出てくる

ワトソン先生の原稿がほしい!

筆記体の美しい文章と

巧みなスケッチで埋めつくされてて

すんごく気になるのだ…

 

【おまけ】

このドラマには

ケルト音楽*4

流れるんだけど、

フィドル(ヴァイオリン)と

ティンホイッスル(縦笛)の

音色が心地いい!

思わず体が

動き出しそうな

楽しい音楽だよね。

 

あと音フェチなので、

蹄鉄の音が聴けてうれしい。

あのパッカパッカした音、

なんだか耳が幸せになる♪

 

それからそれから

外国の言葉も好きなので、

英語以外の言語が聴けて楽しい♪

ロシア語

語気が強いところと

はっきりしたRの発音が

趣き深いのです。

 

原作本 

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*1:ボクシング対決ではワトソン先生に見事ぶっ飛ばされて階段の上から転げ落ちました(笑)でも低音ボイスだしメガネ男子です♡

*2:自分を好き勝手に脚色されてホームズ(とハドソンさん)はカンカン!そういやほかの作品でもあったな。「君が僕のことを”ヴァイオリンの名手”なんて書くから、一流の楽団から客演依頼がきてしまったぞ!」とかなんとか言ってホームズがぶぅたれる場面が。

*3:もちろんお相手はアイリーン・アドラー嬢ロシア読みだとイレーヌ・アドレル

*4:ケルト音楽が出てくる作品

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