「それに初めての出会いが
芝生越しなんてありきたりよ。
ただ自己紹介をするだけなんてイヤだわ。
私はね、何か特別で、素敵な、
一生忘れられないものにしたいの」
『若草の頃』
"Meet Me in St. Louis"
ジュディ・ガーランド,マーガレット・オブライエン,
メアリー・アスター,ルシール・ブレマー
1944/ヴィンセント・ミネリ
20世紀初頭のアメリカ。
セントルイスに住む
とある一家のお話。
翌年に万博を控えた
1903年の夏。
名誉ある開催地に決定し、
セントルイスの街は活気づいている。
スミス家の娘たちもまた、
万博の歌*1を歌って浮かれておりました。
スミス家は
いつもにぎやか。
ワーカホリックな
父アロンゾ、
テキパキした
母アンナ、
快活な
長兄ロン*2、
面倒見のいい
長女ローズ、
情熱的な
次女エスター、
いたずらっ子の
三女アグネス、
おちゃめで粋な
おじいちゃん、
そして
はっきりした性格の
家政婦ケイティ。
エスターは
となりに越してきたばかりの
ジョンに夢中。
言葉を交わしたことさえないのに、だ。
出会いは特別なものにしたいと
兄のパーティーにかこつけて招待するが
途中までいい雰囲気になるのに、
ジョンは空気を読めない性分なのか
空回りしてしまう。
ローズはローズで、
いい相手にめぐり会えず
なかなか思うようにいかない。
ロンは新しい生活に心躍らせつつも
気になる存在がいる様子。
しかしチビッ子たちは
まだまだ遊びに夢中なのでした…
原作はサリー・ベンソンの小説らしい。*4
彼女の実体験が基になった作品なので
当時の空気感が味わえる映画になっています。
こういう
古き良き時代を描いた映画、
ホントにすきだな。
心が朗らかになる。
ほっこりしたい人に
観てほしい映画です。
【おまけ】
勝気な眉、
強い瞳。
みたいな
恵まれた容姿と才能を持っていたけど、
私生活は破綻していたジュディ。*6
幼い頃からショービズ界で生きてきて
ハリウッドに翻弄され続けてきた。
精神的な重圧と薬物に蝕まれながら
何度かカムバックを果たすも
彼女はそのたびに打ちのめされ、
とうとう47歳で
その波乱の生涯を終えてしまった。
はたして彼女は
被害者だったのか、
堕落者だったのか。
それについては調べるといつも
正反対の見解が出てくる。
真相は知る由もないが、
あの
伸びのある声だけは、
本物だった。
"Have Yourself a Merry Little Christmas"
クリスマスの定番曲。
実はこの
『若草の頃』で
ジュディが歌ったのが原曲なのだ。
代表作『オズの魔法使』の
名曲中の名曲。
邦題は”虹の彼方に”。
▼2曲とも収録されてます!
![ベスト・オブ・ジュディ・ガーランド [ ジュディ・ガーランド ] ベスト・オブ・ジュディ・ガーランド [ ジュディ・ガーランド ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/4375/4988031374375.jpg?_ex=128x128)
ベスト・オブ・ジュディ・ガーランド [ ジュディ・ガーランド ]
- 価格: 1873 円
- 楽天で詳細を見る
『若草の頃』が
きっかけとなって、
ジュディは監督である
ヴィンセント・ミネリと結婚する。
そして生まれたのが
▼代表作『キャバレー』
www.youtube.com
私生活はともかく
健全な役が多かった母とは対照的に
小悪魔的な役が多い。
強い歌声も
母とは対照的。
"Cabaret"
"New York, New York"*7
▼2曲とも収録されてます!
とにかく
演技も歌も
ダンスも一級品。
トニー賞、
実力で勝ち取った、
親の七光りなどまったく必要ない
ショービズの申し子。
生まれながらのスターなのです。
私生活は皮肉にも母親と同じ
スキャンダラスな道を
辿ることになるんだけど…
▼若いな…ロバート・デ・ニーロ*8。
www.youtube.com
ジュディは5度結婚しており、
ライザは2度目の結婚でできた子。
不安定な家庭環境ゆえに、
ライザが母親に
複雑な感情を抱いていたことは
想像に難くない。
でも
こうやって二人で
歌えるっていいなぁ…
"Together(Wherever We Go)"
▼このライヴの5年後にジュディは死去…
【今日の知ってる人】
母アンナ役の
メアリー・アスターと
末っ子トゥーティー役の
マーガレット・オブライエンは
その後の1949年の映画、
それぞれ母、ベスとして
母娘役で共演することになります。
ちなみにジョーは
グレンの妻ヘレンを演じた
ジューン・アリスン。
エイミーはなんと
恋多き大女優
エリザベス・テイラー(笑)
▼原作が大長編だからか
駆け足感がすごい映画になってしまって残念
www.youtube.com

- 価格: 2786 円
- 楽天で詳細を見る
▼買ったもの載せてます!
ミュージカル作品8連発
こんなのもあるよ
*1:この歌です。
"Meet Me in St. Louis, Louis"
この
昔の遊園地っぽい音、
自動オルガンなんです。
▼ウーリッツァー自動オルガン
▼一枚まるまるレトロな遊園地気分が味わえる!
*2:実はこのお兄ちゃんの名前もアロンゾ。欧米でよくある”父の名前をもらうパターン”だから正式にはアロンゾJr.。だけど呼ぶとき困るから愛称のロンになっているのだ。
*4:探したけど日本語版はみつかりませんでした。ちぇーっ。
*5:こんな子です。
![金子國義スタイルブック [ 金子 修 ] 金子國義スタイルブック [ 金子 修 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2057/9784908122057.jpg?_ex=128x128)
- 価格: 1760 円
- 楽天で詳細を見る
*6:生い立ちからすでに悲惨。両親の愛を感じることもなく、同世代の子どものようにのびのび遊ぶことも許されず、家族のために馬車馬のように働かされた。
*7:シナトラ版も好き。
"New York, New York"
![シナトラ・グレイテスト・ヒッツ [ フランク・シナトラ ] シナトラ・グレイテスト・ヒッツ [ フランク・シナトラ ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/5530/4988005895530.jpg?_ex=128x128)
- 価格: 2343 円
- 楽天で詳細を見る
▼シナトラ登場回
*8:
*9:原題"LITTLE WOMEN"。この映画ではエイミーが三女、ベスが末っ子に変更されています。
*10:▼『グレン・ミラー 物語』回zuzz.hatenablog.com