「いえいえ、
我々はあらゆる角度から
捜査しませんとねぇ。
因果な商売でして」
『刑事
鬼貫八郎』
1993
食らいついたら
離さない。
スッポンみたいな
鬼貫刑事のお話。
東京にある
東中野警察署刑事課所属の
鬼貫さんはベテランの刑事。
有能だが頑固。
カンを頼りに行動するため、
上司にたしなめられることもしばしば。
それでもひとたびなにかひっかかれば
しつこく追及しなければおさまらない。
食らいついてこだわり抜いて、
犯人にたどり着くのが
いつものパターンです。
でも家に帰ると
すんごくおちゃめ!
クラシックと太極拳が趣味の
ただのおじさんになります。
加えて鬼貫さんは
大の甘党。
あんパンとプリンが好物で、
コーヒーにはいつも
砂糖を5杯もぶち込んで
事情聴取の相手を
びっくりさせることもしばしば。
だけど糖尿病を患っているせいで
妻とひとり娘に
やいのやいのと言われながら
食べたいものも自由に食べられず
肩身の狭い思いをしています。
糖尿病の悪化を心配する奥さんは
歴代の部下に頼んで
監視・報告させる徹底ぶりなんだれど、
鬼貫さんはちゃっかり
みんなの目を盗んで暴食しちゃう(笑)
そんなわけで
このドラマの見どころは
犯人捜しやトリックではない!
鬼貫さんと
奥さんとの
食べ物を
めぐる攻防です!
※実は原作の鬼貫さんは独身で
糖尿病持ちでもないんだけどね…
奥さんはいつも糖尿病のことで
ギャンギャン責め立てるけど、
それは夫の身体を思ってのこと。
鬼貫さんが自室でスランプに陥ってると
「一杯だけよ」と
水割りをそっと差し入れてくれるのです。
いい奥さんなんだよ、
良子さん。
1万9000円の服じゃクラス会に行けない…
とこぼす奥さんと
鬼貫さんのやりとりが
ほほえましくて好き。
「いいんじゃないの?中身で勝負すれば」
「え?」
「お母さん、
他の人よりも若くて綺麗なんだから」
「そんな!」←うれしそう
「そうだよ。
人間の値打ちはね、着るもんだとか
肩書なんかにあるんじゃありませんよ?
今日、専務夫人でも明日はどうなるか
誰にも予測がつかない時代なんだから」
「まあね…」
「日々こうしておいしくご飯がいただけて、
夫婦仲良く暮らせて、
言うことないんじゃないですか?
ねぇ、お母さん♪」
「でもお父さん、
警部補の試験は受けてくれるでしょ?」
「いただきまーす…」
なんだこの夫婦…
かわいい♥
鬼貫さんて外じゃ
奥さんのグチ言うけど、
こうやってほめてくれるし
プレゼントもくれるし
優しいのよね…♪
■□■□■□■
ハゲててずんぐりむっくりで
ちょっと走るだけで
息が上がっちゃう、
さえないおじさん。
でもひとたび事件となれば
独自の視点から捜査し、
鬼のように犯人を責め立てる*2。
きめるときは
ビシッときめる、
そんな
鬼貫さんなのです。
ディスク化されてないけど
たまに再放送あるから観てみてね!
「前にも言ったことがあったろう。
私は一度疑問に思うと、
徹底してやらねば気が済まん」
【今日の知ってる人】
★左時枝
フリーダムな鬼貫刑事を
時にうるさく時に優しく支える
愉快な奥様を演じた左さんは、
至るところで見かける女優さん。
『アボンリーへの道』では
ジャッキーの妹で
きれい好きなアビゲイルの
吹替をしてました。
★羽場裕一
鬼貫刑事の部下であり、
暴飲暴食監視係(笑)
2時間ドラマで羽場さんが出てくると
たいてい「犯人だな」となるのだが、
このドラマでは捕まえる側なのだ★
★藤井びん
全18回のエピソードのうち
なぜか3回も違う役で出演した
訛りの特徴的な藤井さん。
この人、陣内孝則版の
『名探偵 明智小五郎』の
『暗黒星』に出てたんだよね…
あと、初代真奈美(娘)は
子役の間下このみちゃんでした!
【おまけ】
第10話”風の証言”で
出てきたんだけど、
昭和な雰囲気が漂ってて
なんだか惹かれたんだよね。
平和な世の中になったら
行ってみたい…
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