「本当に偉いのは
一生懸命生きてる奴だよ。
江分利みたいな奴だよ」
『江分利満氏の
優雅な生活』
小林桂樹,新珠三千代,江原達怡,東野英治郎,
天本英世,横山道代,ジェリー伊藤,松村達雄
1963/岡本喜八
昭和30年代の
どこにでもいる
サラリーマンを
描いたお話です。
サントリー宣伝部に勤める
36歳の会社員
江分利満氏。
父親*1と妻と息子の
4人で社宅に住んでいる。
本給36000円。
諸手当を
なんだかんだ加えて、
税金やら失業保険やら
なんだかんだ引かれて、
手取りはやはり
40000円足らずである。
そこへもってきて、
糖尿と腎臓で病院通いをする父に
平均10000円かかる。
庄助の英語の稽古と
家庭教師で6000円。
夏子の長唄で2000円。
なんだかんだで
稽古事で10000円はかかる。
これを贅沢だと言うか?
※作中語りより
こんな懐事情だけれど、
月賦払いで
テレビも冷蔵庫も
ステレオもある。
そんな平々凡々な
サラリーマンが
ある日酔った勢いで
物書きの真似事を
することになり…
■□■□■□■
山口瞳の小説が原作。
直木賞受賞作です。
映画にするにあたって、
サラリーマンが
ひょんなことから
読み物を書くという設定にして
いろんなエピソードを
つなぎ合わせる構成になってます。
途中でパンツ一丁になったり
舞台仕立てになったり
柳原良平のアニメーションが
挟み込まれたりと、
斬新な試みであきない作り。
▼この人といえばサントリーのアンクルトリス!
www.youtube.com
▼柳原さんは船好きで有名!
戦地に行って戦って、
無事に帰って来たと思ったら
今度は日本を立て直して。
この頃の男たちは
死にもの狂いで
生きていたんだな…
激動の時代を経て
ようやっと
軌道に乗りだした頃の
東京を
明るく皮肉たっぷりに
描いています。
「けっして不真面目な訳ではない。
つまり不器用なんだ。不格好なんだ。
変てこりんなんだね、親子三人とも」
【おまけ その1】
映画の中に
昭和歌謡が
出てきました。
このレトロさが
たまらないのよね…
笠置シヅ子
”東京ブギウギ”
灰田勝彦
”東京の屋根の下”
▼服部良一先生のベスト盤に収録されてます!
▼ここでも紹介した曲だよ!
www.youtube.comzuzz.hatenablog.com
【おまけ その2】
映画の中に
カルピスが出てきて
急に飲みたくなっちゃった。
私は濃いめが好き♪
▼今こんなに種類あるんだ!
【今日の知ってる人】
★小林桂樹
江分利満氏。
『牟田刑事官事件ファイル』や
『耳をすませば』の
聖司のおじいさんでおなじみ。
江分利の父。
『水戸黄門』の
水戸光圀役でおなじみ。
伊丹十三映画の
『あげまん』にも出てます。
★天本英世
怪優天本さんの
若き姿にビックリ(笑)
『怪盗ルビイ』にも出てたね!
★横山道代
この人といえば
伊丹十三監督作品
『お葬式』の
先生の奥様だね。
★松村達雄
松村さんは
黒澤明監督作品
『まあだだよ』の
内田百閒先生だよね。
★伊丹十三
バーの客。
伊丹一三名義で
出演していました。
zuzz.hatenablog.comzuzz.hatenablog.comzuzz.hatenablog.com
★小島功
バーの客。
河童の美人画と言ったらこの人。
安野モヨコは姪です。
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