「いいえ警部補。
私は誰が犯人かわかりましたよ」
『ミス・マープル
夜行特急の殺人』
"MURDER, SHE SAID"
マーガレット・ラザフォード,
ストリンガー・デイヴィス,
チャールズ・ティングウェル
1961/ジョージ・ポロック
殺人事件の真相を
つきとめるため、
老嬢マープルさんが
お屋敷に
潜入捜査するお話。
夜行列車に乗った
反対車線の列車とすれ違う瞬間、
首を絞められる女を
目撃してしまう。
すぐさま通報するも
駅員は困惑顔。
後日訪問してきた
クラドック刑事も
死体がみつからないし
かんちがいでは?と
そっけない。
困ったおばあさん扱いされた
マープルさんは
もう警察なんかに
まかせてられない!と、
ミステリー好きな
司書のストリンガー氏を
連絡係にして、
事件の手がかりとなる屋敷へ
メイドとして
潜り込むことに…
■□■□■□■
原作は
英国ミステリーの女王
『パディントン発4時50分』。
マープルさんが潜入したのは
偏屈ジジイ…じゃなかった
気難し屋の主人のせいで
使用人が次々と辞めていく
アカンソープ邸。
でもマープルには
主人の怒鳴り声なんて
こわくもなんともない。
イヤミにも痛烈な皮肉で対応*1。
歯ごたえある老嬢に
クソガキ…じゃなかった
いたずら好きの孫も
なついてしまう。
大柄でパワフルで
行動力抜群!
重い荷物を抱えて
のっしのっしと歩く
この映画のマープルさん。
ジェーン・マープルは
小柄で上品なおばあちゃん
というイメージが
捨てきれない人は
なかなか受け入れられないかも…
作者アガサ・クリスティーも
この人のマープルは
お気に召さなかったらしいし。*2
私も小説(児童書)から入って
ドラマ(1984年)を観たクチだから
正直はじめのうちは
違和感はあったんだけど…
いったん受け入れてしまえば
あら不思議。
おもしろかった!
だって
テンポも早くてあきないし、
陽気なチェンバロの
テーマ曲がまたいいのだ♪
マーガレット版マープルは
1961
『夜行特急の殺人』
から始まって
1963年
『寄宿舎の殺人』
1964年
『最も卑劣な殺人』
『船上の殺人』
※この作品のみオリジナル脚本
と4作品出ています。
どれもだいたい
1時間半くらいだから
さらっと観られる長さ。
しかもところどころに
笑いがちりばめてあるので
あきずに観られる!
続きが気になったもんだから
私は立て続けに
4作品ぜんぶ観ちゃった(笑)
食わず嫌いはもったいないね!
そうそう。
中盤に出てくる
頭におリボンのついた
いかつい
マープルばあちゃんの
メイド姿*3は必見!!
吹き出します(笑)
異色のマープルを演じる
マーガレット・ラザフォードは
デビューする前に
教師をやっていたという
これまた異色な経歴*4の持ち主。
マープルを演じた年に
ちなみに
助手役のストリンガー氏を演じた
ストリンガー・デイヴィスは
彼女の夫なのだ。
殺人事件が
起きてるのに
さわやかな気持ちで
観終わっちゃう
映画です!
【今日の知ってる人】
★ジョーン・ヒクソン
この映画、なんとのちに
ドラマ版マープルを
演じることになる
ジョーンが出てるんです。
通いの家政婦キダー夫人として。
若いよ…必見です(笑)
▼前に紹介した
ジョーン・ヒクソン版。
www.youtube.com
こちらもいかが?
▼楽天オススメアイテム!
*1:しまいにはこの二人のやりとりがほほえましくなってくるから不思議(笑)!
*2:水谷豊版浅見光彦シリーズも市原悦子の家政婦は見たシリーズも作者がお気に召さなかったシリーズ。
*3:▼いつもの何見せシリーズ(笑)
*4:異色な経歴を持つ方々、まだいます。
ブルース・ウィリスは
前職が探偵。
ハリソン・フォードは
前職が大工。