「あんたロックやりたい言うたな」
「うん。それ以外やりとない」
「実はわしもそうなんよ」
『青春デンデケデケデケ』
林泰文,大森嘉之,浅野忠信,永堀剛敏,佐藤真一郎,
岸部一徳, ベンガル,根岸季衣,尾美としのり,尾藤イサオ,
水島かおり,田根楽子,田畑伊音,河原さぶ,佐野史郎,
柴山智加,原田和代,高橋かおり
1992/大林宣彦
1960年代。
ロックに魅せられた
少年たちの高校時代を
描いたおはなしです。
原作は
芦原すなおの小説です。
生物教師の父と
元家庭科教師であり
生け花・茶の湯をたしなむ母の
間に生まれた
ちっくんこと藤原竹良は、
周りの若者が興味を示す
ポップスよりも
クラシックを愛する文化的な少年。
進学校への入学も決まり、
暇を持て余していた竹良が
ある日うたた寝から
目覚めたときに
ちょうど流れていたのが
”PIPELINE”。
あの
デンデケデケデケデケデケデケデケ
のところ
だったのでした。
このデンデケデケデケで
愚劣な俗物根性は綺麗に吹き飛ばされた。
まさにこれはエレクトリックリベレーション。
電気的啓示。
春になり高校へ入学したけれど、
中流家庭の藤原家で
エレキギターなぞ
ねだれるはずもなく
自作する竹良。
そして
魚屋の息子白井と意気投合し、
寺の息子合田と
練り物屋の息子岡下を誘って
ロッキング・ホースメン
を結成。
金持ちのボンボンで
工学少年のしーさんに
手製のアンプをもらい、
メカのサポートも得た彼らは
本格的に活動を開始するのだった…
★☆★☆★☆★
それではメンバーを
紹介します!!!
★藤原竹良(林泰文)
「甘えたれじゃの、わしは」
ヴォーカル兼サイドギターであり
バンドリーダー。
バンドに勉強に女の子に…と
忙しい高校生活を送る。
★合田富士男(大森嘉之)
「いっぱい恩恵受けとるくせに
エロ本エロ本言うてバカにすな。
人生の宝ぞ。
エロチックマガジンと言え!」
ベース兼サイドヴォーカル。
アダルト雑誌を調達しては
貸し出してくれる性の伝道師。
…とまあ煩悩の塊だが、
檀家には女だけでなく仏教も説く。
家業を立派にこなす孝行息子。
面倒見がいいので
男女関係なく橋渡しを頼まれる。
★白井清一(浅野忠信)
「ギター二本だけでは
ロックバンドにならんがな」
独学でテクニックを磨いた魚屋の息子。
”兄ちゃん”と呼ぶ姉がいる。
センスは光るが、
おなかは弱いメガネ男子。
★岡下 巧(永堀剛敏)
「これ…叩いてもええやろか…
叩くの悪い気がするんじゃ…」
ドラム。
気弱でさえない練り物屋の息子。
メンバーの中ではでいちばん
激動の高校生活だったのでは…
★谷口静夫(佐藤真一郎)
「エレキギター持っとって
アンプなしではカッコつくまいがや」
サポートメンバーであり
名誉メンバー。
エンジニアを夢見る少年で
メカニック系統で大きく貢献する。
お菓子作りの得意な妹がいる。
★☆★☆★☆★
夏休みには楽器を買うために
アルバイトで汗を流し*2、
冬休みには
徳島の山奥にテントを張って、
楽しいキャンプ合宿!
雨をものともせず
大鍋のカレーをむさぼり食い、
渓流のそばで野外演奏。
みんなすごく楽しそう。
いいなぁ…
この映画は
回想という形で
主人公自身がナビゲーターとなって
進んでゆきます。
途中、
カメラ目線で話しかけてきたり、
妄想シーンが挿入されたりと
遊び心いっぱいな作りなのがおもしろい。
こんな時代は知らないくせに、
昭和40年の空気感が
たまらなくいとおしい。
ケータイも
パソコンもなくたって
”好き”を通じて
つながれた、
そんな
田舎の町の青春物語。
ぜひ観てあげてください。
学校、家族、友達、音楽、女の子のこと…
思春期真っただ中の
そわそわ、
キラキラ、
ムズムズでいっぱいの
男子高生たちです。
堤防に寄っかかる
5人の姿がまたいいんだよな…
「はよアンプで音鳴らしたいのう」
「おう。
デンデケデケデケデケデケデケデケ
ズッタッズッタッズッタッズッタッ」
▼買ったもの載せてます!
【今日の知ってる人】
★林泰文
主人公のちっくんを
体当たりで演じました。
いやはやびっくり!
この人、芸歴長かったのね!
『きらきらひかる』では
監察医務院の先輩
綾小路くんだったね。
★浅野忠信
この人も実は芸歴が長かったのね。
家族の歴史をたどる番組
『ファミリーヒストリー』では
知られざるエピソードに
泣かされたな…
それから
『ロング・グッドバイ』の
舞台を日本にして制作されたドラマで
主役を演じてましたね。
▼こっちの【おまけ】で紹介してます
★大森嘉之
寺の息子合田をやった大森さん。
『瀬戸内少年野球団』では
バラケツをやってたね。
そして『トキワ荘の青春』で
赤塚不二夫先生を好演。
▼この映画、ほんとにおすすめ。
www.youtube.com
★永堀剛敏
で
プロファイリングチームにいた
オタク系男子をやってたね。
一話もまともに観たことないのに
なぜかおぼえてるんだけど
『神様、もう少しだけ』で
深キョン演じる女子高生に
HIVを感染させた男役もやってたね。
▼『踊る大捜査線』の話がチラッと出ますzuzz.hatenablog.com
★田根楽子
ドラマでよく見かけるおばちゃん(笑)
『パンとスープとネコ日和』には
主人公の母親の友人として
出てきました。
★岸部一徳
ジュリーこと沢田研二のグループ、
ザ・タイガースのベースをやってた
岸部さんも、
もうすっかりドラマや映画で
引っ張りだこのバイプレイヤー。
▼一徳5連発!
竹良の兄を演じた
大林監督作品の常連組。
このほかにも
チョイ役で出てます(笑)
なお音楽を担当したのは
こんなのもあるよ